気が付けば・・・ヤツは私の後に立っていた。
足音も立てずそっと忍び寄ってくる。
いや・・・すぐ後ろにいたかと思えば、まだずっと遠くだったり・・・。
暖かく私を包み込んだかと思えば急に冷たくしてみたり・・・。
しかし冷たくされればされるほどヤツの優しさにホッとしてしまう。
そう・・・・ヤツは確実に私のすぐそばにいたのだ。


『春』は私達のすぐそばまで来ている。
小学生の野球小僧たちは『久留米市近圏学童大会』が春の訪れを告げ、
福岡高校野球は『春季九州大会予選』で春を感じ、
明日から甲子園では日本全国に春を届けてくれる。
そして私は・・・・今日も仕事である。
昨年発症した花粉症と戦いながら、
来年度の国・公立病院の入札金額を埋めて行く作業に追われてる。
キーボードに落ちた鼻水を拭いながら、
右手人差し指1本でテンキーを押している。
もうすでに・・・人差し指の指紋が薄れかかっている。