「ねぇねぇ!おとーさん。おかーさんの携帯見る?」・・・・そんな娘の一言が悪夢のプロローグだった。
「ばっ、ばっ、馬鹿な事言うなよ! いくら夫婦でもそういうのは見たらダメなんだよ!」
・・・・言葉とは裏腹に見たい衝動が体中を駆け巡る。
見たい・・・いや夫婦とはいえソコは・・・いやいや、もし浮気してる感じのメールでも出てきたら・・・。
「おとーさんに見せたい面白い動画があるとよ

「ど、ど、動画? そりゃ~ちょっとリアルすぎんじゃねぇのか? よ~し!分かった! おとーさんはどんな動画が出てきてもびくともせん


・・・・
そっ、そっ、そんな・・・・



そこには世にも恐ろしい動画が・・・
会員番号12番 河合その子の「落葉のクレッシェンド」を風呂場で大熱唱してる私が映っていた。
その裏で必死に笑いを堪えらがらの妻と娘の会話までもが・・・
(クスクス)・・・「おとーさんが今歌ってるのは、おニャン子クラブの河合 その子って人のソロデビュー曲で、今で言うAKBの板野 友美の歌だね。」
「うわぁー、キモ。おとーさんキモすぎっ!」おぃおぃ。キミ達、それじゃお父さん恥ずかしすぎるだろぅ。
それに配偶者よ!キミは間違えてる。確かに板野さんは可愛い。
例えて言うと、自動車をバァーと並べ見比べれば・・・なるほど!『板野 友美』と言う軽自動車はNo.1である。

たが、しかし比較対象を間違えてる。残念ながら同じ自動車でも『河合その子』は違い過ぎる。
例えるなら彼女はランボルギーニである。それもただのランボルギーニではない。
それもランボルギーニ・イオタである。

それにもう一つ大きな間違いをしてる。「落葉のクレッシェンド」は2曲目であり、ソロデビュー曲は「涙の茉莉花LOVE」(なみだのジャスミン・ラヴ)である。
しかしその動画はまだ本当の恐怖への入り口に過ぎず、これから起こる恐怖への序曲にしか過ぎなかった。
携帯電話で部下に「いいか!信頼関係ってのはそんな簡単に出来るモンじゃねぇーんだよ。人命に関わる商品を扱ってんだ!もっと緊張感を持って仕事しろーーー。」って、風呂上り・・・松岡修造よりアツく・・・・全裸のフルチンで説教してる私がいた。・・・悶絶モンである。
とどめは・・・深夜、PCにイヤホンつけてエロ動画を観ながらニヤニヤしてる私が映っていた。
・・・ユンボで穴掘ってでも入りたい心境である。
な、な、なんなんだーーー。なにが目的なんだーー。「はっ!まさかキミ達はKGBのスパイで一般的日本中年オヤジの生態調査を本国に連絡してるとでも・・・。」
いや・・・ソビエト連邦が崩壊した今、それはありえない。
「まてよ!もしやキミ達は地球外生命体では? そうなのか? だったら、この野郎!地球に何の用だ!何の目的で地球にやってきたんだ!」
今・・・・それぐらい精神崩壊している。奈落のどん底にいる。
配偶者の携帯・・・水没させてもいいですか?