友人のお誕生日を祝って、野球選手御用達の和牛専門店で奮発し、晩ご飯は和牛ロースステーキと相成った。
霜降でピンク色の和牛ロース。
厚さは1センチほどで、お肉の代金だけでちょっとしたランチコースが楽しめる。
気合いを入れて焼き始めるが、霜降の脂がフライパンにみるみる溶け出し、まるでステーキのオイル焼きといった状態になった。
あまり焼きすぎはよろしくないと、お皿に引き上げ、嬉々としてフォークとナイフを使う。
柔らかい。
文句なく柔らかいのだが、口に入れ噛むほどに自分の中に違和感が生まれた。
肉というより脂なのだそれは…。
臭くない上質の脂であることに間違いはないのだが、私は肉を味わいたかったのだ。
友人も「柔らかいね」「とろけるね」と言いながら、徐々にテンションはスローダウンしていった。
健康的な食生活を目指して久しい。
その間に、自分の志向が変化してしまったのかもしれない。
高価だったんだけどなぁ…ちっとも美味しく感じられなくなっている自分が恨めしい。
そんな事をひたすら思う久々の霜降り和牛ステーキであった。