棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

インドネシア島嶼紀行--カリマンタン島

2008-04-30 18:50:08 | 海外紀行文
1980年後半より、インドネシアの熱帯雨林にトレッキングにでかけていました。
その折に見た、森の住人達の不思議な美術表現に、魂の根源を感じたのです。
私が取り組んでいた「曼荼羅世界」の表現と同じものが在る
特に曼荼羅絵画の背景空間につながるものだと直感し、私の中に徐々に熟成していったのです。

美術の研究よりも先に、森の住人達の生活の危機をまりあたりにし、1990年に「森へ帰ろう」という絵本を出版しました。
それは熱帯雨林の中でひっそりと暮してきた人々が、森林開発に伴い、彼らの生活文化が根こそぎから変わってしまっていく様子を、独りの少年の成長を骨子にえがいたものです。
大変評判になった絵本ですが、残念ながら絶版の憂き目になってしまいました。

1995年、本格的に森の住人達の美術を研究しょうと、カリマンタン島に旅立ちました。
出来ればメンバーと資金がほしく、TV 局に企画書を提出したけれどダメ。相変わらずの一人旅になってしまいました。

首都ジャカルタには以前から、画家志願の知り合いが、出身地のカリマンタン島に帰っていた。
父親の死亡以来、中流のお家は傾き、彼はカリマンタン・サマリンダの観光省に勤めていたので、私には好都合だった。

ジャカルタより搭乗まもなく、寝入ってしまったが、ドンッ!!と突き上げる衝撃に目覚める。
激しく膨張する積乱雲はときおり閃光が走り、小型機はガクン゛クンと上下する。
スチュワーデスは警告を出す前に、シートにしがみついてしまった。
 うごめく雲間にカリマンタン島の黒々とした樹林帯が見え出す。
勝手気ままに流れる泥色の川は、真っ青な海に奇妙な模様を描き出す。

高度が下がると、黒々と見えた樹木は鮮やかな緑色と変わり、ゴルフ場を俯瞰したように、熱帯雨林の茂みなど無くなってしまった。
一時間半ほどのフライトで、カリマンタン島の空の玄関・石油産業基地バリクパパンに到着した。
http://ryuomaru3.web.fc2.com/man-aisatu.html


最新の画像もっと見る

コメントを投稿