8月8日。昨晩から降り出した雨が朝まで続いたが、朝食が終わる頃には曇り空になって、所々に
青空が見えるようになった。周りを見渡すと鋭い稜線の無名峰がキャンプ地を取り囲んでいる。
今朝から荷物運びのヤクとチベット人のヤク使いが合流してきた。その中にチベット人ばなれした
( 失礼!セクハラのつもりはないのです... )可愛い女性がいて、カメラを向けても顔を隠さない。
9時35分に出発。午前中はひたすら歩く。昼食を終え歩き出すとまもなくきれいな水をたたえた
湖が目の前に現れた。急な坂道で材木を背負った親子連れに会う。学校を建てると言う気持ち
が彼らを支えているのだろうか?それにしても重労働に違いない。
【左の写真】無名峰 【右の写真】無名峰
【左の写真】きれいな湖 【右の写真】材木背負った親子連れ
いよいよ高度も4500mを越え、急な坂道では息が切れ、歩くピッチも自然と遅くなる。いつまで
この急坂が続くのか...。やがて雨が降り出し、気持ちが萎えてくる。遙か彼方にタルチョが風に
なびいているショゥラ(4830m)が見える。はたしてこの状況でショゥラを越えられるのか、不安が
心の中で頭をもたげてくる。
【左の写真】ヤクのキャラバン隊 【右の写真】チベット美人?
【左の写真】ショゥラ 【右の写真】無名峰
天候の悪化で予定を変更して今日はここにテントを設営。逃げ込むようにテントにもぐり込み、シュ
ラフにくるまり暖をとる。
チベット人コックが我々に温かいミルク紅茶を作ってくれた。紅茶の温かさと甘さ、コックの心遣いに
涙が出そうになる。
8月9日。今朝も雨の音で目が覚める。襲い朝食を済ませ、小雨の中をショゥラに向けて出発する。
15分足らずでショゥラに到着。強い風と霧のためすぐに出発。歩いている途中に黄色い草の葉っぱが
たくさん落ちている。植物に詳しい隊員が「これはダイオウの葉だろう」と言う。初めて聞く名前で
どんな植物なのか想像もつかない。以前に大阪市の鶴見緑地で行われた花博に植えられていた
らしい。ふと前を見ると見たこともない不思議な格好の植物が...。「ダイオウ発見!」の声に一目散に
駆け寄る。高さ1.5mを越えるダイオウが2本、堂々と立っていた。
【左の写真】初めて見たダイオウ 【右の写真】ヤク
初めてダイオウと出会い、感激した我々だが、急な坂道を下った所にダイオウが至る所にあるのを発見!。
ちょっと感激に水を差されたような思いだった。まるでダイオウ畑の中にいる、そんな光景だ。
この後ヤク隊が追いつき、今日のテント場を設営した。
【左の写真】ダイオウ背負ったチベット人 【右の写真】チベット人のテント
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