音信

小池純代の手帖から

日毎の音 独 201110

2020-11-10 | 日記

  独


 晩秋は各駅停車こそよけれ南太田で買ふ独逸パン


 独唱に吾が思ふかな一本の声萌え出づる地の空のいろ


 一人来て一人が帰る独り来て独りで還るみなそのやうに


 数独の数字を文字に置きかへて唄ひたまへなクアルテットで


 独り神の一人芝居の緞帳の垂るる黄昏地に垂るる蜜 





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