音信

小池純代の手帖から

日毎の音 鮨 201122

2020-11-22 | 日記
  鮨


 淡雪の如しとふ比喩よりも迅くとけて消えゆくこの穴子鮨 
             迅:と          

 かすかなる悔いといへども悔いは悔い小樽で鮨を食はず去りにし


 うつつにはあらねど旨き鮨飯はかの子の「鮨」に豈及かめやも


 焚焼のあひだに開く弁当の助六揚巻どこか場違ひ
 焚焼:ぼんせう

 白飯に酢橘をしぼり胡麻をふる然り然もあれ此も鮨のうち
 白飯:しらいひ             此:こ






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