音信

小池純代の手帖から

雑談45

2022-07-30 | 雑談
 心静無炎暑
 端居思渺然
 水雲涼自得
 窓下抱花眠
        (芥川龍之介書簡より)



芥川が二人の知人に宛てた二通の手紙に記した漢詩。
起句に一箇所違いがあって「心静」と「心情」の二通り。
今回は「心静」を選んだ。


 〈翻歌〉

炎さへしづくに変ふるしづごころ夏のしづくぞ散りてしづけき


端居して思ふいづこも時の端あなたの端はわたくしの果て
端居:はしゐ

水の面にうつる雲其をうつす水おのづからなる間の涼しさ
   面:も    其:そ           間:あひ

花抱いて花に抱かれて眠らなんここはどなたの小窓のほとり






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