今日、「こころ」の問題について語られる事が多くなりました。私はその人の置かれた環境や生い立ち、そしてその時代社会を抜きにして語れない、と思ってます。
そういう意味で、宮部みゆきさんは一貫して時代を先取りした作品を生み出しています。
一見平凡な主人公が、実は凄い人だった、というお話が多いです。
それが作者自身のイメージに重なります。どこにも居そうなごく普通の女性、善意の人の感じなのに、考えられない様な殺人、超常現象を描く、豊富な知識を持つ頭のきれる方です。
見出し写真の文庫本は超能力者を描く、初期の作品集であります。
超能力者を描く作家は数多いですが、宮部みゆきは「超能力は誰にでもある不思議な能力」として描いてます。
『朽ちていくまで』は予知能力を持った娘の物語です。
極端なピンチに陥った時、非常に神経がとんがってくる事ありませんか?
人の心が(特に負の感情)が読めちゃう気がする感じですね。私はそうです。
『朽ちていくまで』の主人公は幼児期に同じ車に乗っていた両親を事故で亡くした後、記憶喪失になりました。育ての親の祖母を亡くした時、幼い時代の記憶喪失の原因を探り出す内、自分が特殊能力の持ち主である事に気づくのです。
その能力は心にフタをして誰にも話すことができない秘密であります。一生それと付き合っていくのはさぞ厄介なことでしょう。
が、この物語では娘に穏やかで希望のある将来を暗示してます。が、『朽ちていく』までこの特殊な力を隠し持っていくとしたら、しんどいものがありますね。
今日はひな祭り。お雛様を出して部屋に飾ると、心なし微笑んでくれた感じです。
ずっと仲良しでいて下さいね❣️