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読書の森

手塚治虫 『BLACKJACK 』より『ピノコ再び』

著作権法が改正されてうるさくなったからとかで、かなり削除してしまった『BLACKJACK 』でありますが、やっぱり惜しい。
再度blog 出しました。

1970年代80年代に少年向け雑誌に載ったこのシリーズ、最初全然人気無かったのがジワジワ出てきてついに爆発的な売れ行きとなります。
これは多分に時代背景があるのでしょうね。

敗戦から劇的に復興した日本の希望に満ちた未来がやや懐疑的に思え始めた時期、天才的才能を持ちながら(医師免許持たない)アウトロー、しかも完璧に治す代わりに保険の効かない高〜い治療費請求を出す医師、を主人公にした型破りの設定です。

ツギハギだらけの異相には深〜い暗〜い訳がありました。幼い時父親は愛人と共に国外へ去り、優しい母親は殺されたと同様の死に方をする。
子供の自分も事故死を装って殺されそうになり大怪我をしたが一命を取り止めた、凄い幼少期です。

彼の命を護ったのが情のある名医の手術です。そこから医学を志しますが、金で動く大学病院の腐敗に我慢出来ない。そこでオレ流医師が誕生します。

ボロ屋で質素な暮らしをして儲けた金の使い道は暮らし易い老人ホームの新設とか、緑豊かな島でユートピアを夢見るとかヒューマニズムに満ちたものばかりであります。

私としてはこれだけ医学知識があるなら医師国家試験なんてチョロいのに、とか余計な事考えてしまいます。

オレ流が通らなくなり自分を殺さなければならない時代背景において、敢えて医師免許を持たない強烈な個性が、フィクションであるからこそ大いに受けたのかも知れないです。(深読み過ぎ?)






さて、男っぽいとも言えるこのシリーズのカワユイ花🌸がピノコちゃんです。
彼女の生い立ちはまさに奇跡的で、さる高貴な女性のお腹にあった醜い奇形嚢腫からBLAKJACKの手術によって生まれ変わった子(これもありっこない話)です。

『ピノコ再び』は1974年3月に雑誌に掲載されたもの。
評判の悪い自分の手元に置くより子供を欲しがっているお金持ちの医師夫婦の所へ行った方が、ピノコの幸せだと心に決めたJACKさん、ピノコにそれを告げる場面です。

ここで彼女オールヌードになってますが、実は洗濯してる時(身体が小さ過ぎて)、覗き込んだ瞬間洗濯機の中に入っちゃったのです❗️その後始末してた時にJACKが帰宅したという事。

彼女は見捨てるのか?とハデに怒り嘆き哀しみますが、それが愛するJACKの邪魔にならない事だと思い直して、一張羅のワンピースを着込んでしおらしく養父母の院長夫妻の下で暮らし始めるのですが、、。

後には抱腹絶倒、涙の展開があります。

このピノコのモデルが手塚治虫先生のお嬢さんだとか、愛する子供達と団欒の姿が先日購入した週刊誌のグラビアに載ってました。このような幸せな時間は滅多に持てなかったそうです。

仕事と家庭、このバランスをとるのはいつの時代も難しそうです。

最近某地で見た夕焼けです♪

「うわー」と思わず声を上げてしまいました。やっぱり空気が綺麗な所ほど空の色の変化が鮮やかなようです。

これも某地で見つけた秋明菊です。
限りなく残酷な残暑ですが、秋の植物は健気に咲き出してます。


読んでいただき心から感謝いたします。

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