図書館通いは不要不急の外出!、でも借りた本を返すのは市民の義務でございます。とかなんとか理由をつけて行った図書館では、皆、密に注意を払い常になく真剣に読書に励んでいたのです。
せめてなるべく時間を取らずに決めようと、借りた(又返すために外出する必要があるけど借りてしまった本)の一冊が、『戦国入門』です。
大河ドラマ『麒麟がくる』でお馴染みのこの時代は、中身に比べて資料の少ない時代です。戦国の混乱に紛れて、大切な書類が粉塵に帰したのかも知れません。
それだけミステリアスな魅力ある時代と言えましょう。
日本史の授業でも戦国時代についてほんの少し触れただけです。この時代をいつからいつまでという区分も学者によって異なります。
鎌倉時代、南北朝時代、室町時代、を経て応仁の乱が勃発(1467年)から織田信長が一応天下統一をはかるまで(1568年)という見方が一般的のようです。
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室町幕府を統一した足利尊氏は家柄も良くおっとりした人柄の人でした。それに加えて、まだ政権と言えば京都を中心とした畿内を統治するという意識が強かったのです。
「遠国(これが関東、九州、などを指す)のことは、少々のことは将軍(幕府)の意に沿わなくとも、そのままにしておく」それが彼の考え方だったのです。歴代の足利将軍は短命で病弱な人が多く、貴族趣味だったことも影響して、幕府の力は弱体化する一方でした。
応仁の乱は、押しの弱い将軍の後見人として選ばれた山名、細川の世継ぎ争いから始まったのです。私闘ともとれる争いに当時の大名が巻き込まれ西東に分かれて争った訳ですね。
市中は火の海、略奪は繰り返されて、当時の一般人は強くならざるを得なかったのです。
応仁の乱を機にして、室町幕府は名ばかりの存在、御所の庭では子供が遊ぶという朝廷の没落で、各地で争いが起こりました。世の中が混乱状況で、誰が上に立つか分からない(下剋上)時代になりました。これを戦国時代と言います。
それで、上図のように身分の低い者も刀を差して、常に身を守っていたのです。
下剋上というのも、公家出身者の多い侍以上に野育ちの百姓たちが武器を取って戦った方が戦力になります。武功のあったものが上に立つことも十分考えられます。
要は「何があっても不思議がない世の中」だったのだと感じました。
全くプロセスや状況が異なりますが、コロナ禍の現代にふと結び付けてしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/54/1066fa0ac4f6d00a8202a53f2093e5fe.jpg?1610860912)
そうは言っても、日本はただ混乱して無秩序だった訳でなく、農業を始め生産的な仕事は絶えなかった訳です。大名がただ領地を守るだけの時代から力をつけて隣の領地に目を向ける時代ですから、利益を得るための流通も盛んになりました。
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そうは言っても、日本はただ混乱して無秩序だった訳でなく、農業を始め生産的な仕事は絶えなかった訳です。大名がただ領地を守るだけの時代から力をつけて隣の領地に目を向ける時代ですから、利益を得るための流通も盛んになりました。
戦国時代はより高い生産力を得るために技術革新が進んだ時代でもありました。
当時の大名は守護大名から生き残りをかけた戦国大名と変身したのです。
しかし、自らの領地を増やして豊かに治め、あわよくば今の幕府の主権を取ろうというのが目的でした。
実は「天下布武」の命を出したのは織田信長が最初でした。
日本全体を広く統治するという、今では当たり前の施政について最初に考え出したのが信長なのです。信長について天才と称すると共にその奇才ぶり変人ぶりを言われますが、人となりについては時代背景を考慮すべきではないかと思います。
「すこぶる戦闘的で、常に闘争ばかりやっている」「私は未だかってこれほどまで武器を尊重する国民に未だかって出会ったためしがない」
これが宣教師ザビエルが見た日本観なのですから、驚きます。資料が残っているのですから「嘘だ」とも言えません。
つまり、その時代背景によって民心が全く変化してしまうのですね。
この時、信長は16,7歳だったとか。
ともあれ、目から鱗の戦国時代でした。著者が異なれば歴史観も異なるでしょう。
又、この謎だらけの戦国時代を書物で探検してみたいなと思います。
それにしても、日本民族は自己主張の少ない穏やかな性格という概念が、戦国時代のザビエルの言葉でゆらぎました。時代の波というものは実に怖いものです。
コロナ禍の時代と言う人もいます。勿論コロナを避けてこの時代を生き延びることが先決ですが、大きなスパンで歴史を観ると少し救われた気分になれるかも知れません(押しつけがましいですが)。