読書の森

橘木俊詔『都道府県格差』



少子高齢化や人口減が進む中で、日本の中の地域格差は確かにあると感じます。

ただ、便利で豊かな都市圏、不便だけど自然豊かな地方と簡単に分けられない気がします。

この本はデータを元に各都道府県の幸福度を分析したもので、興味がわきました。



このランキングは2016年に日本総合研究所が日本ユニシスの協力を得て作ったものです。

それによると、バブル崩壊から現在に至り客観的な幸福度一位は福井県だそうです。

では幸福度は何で測っているのでしょうか?
持ち家率の高さ、自殺率の低さ、就職率の高さ、教育と雇用の両面の安定、平均寿命の高さ、学力偏差値の高さ、など数字が明確に見えてくるものです。

そこにおいて、福井県は安定した生活力を持つ事で最も優れている県です。

ちなみに、人口100万人あたりの社長輩出率は福井県が一位だそうです。

他の県について言えば、合計特殊出生率一位が沖縄県、全国学力テスト一位が秋田県、健康寿命一位は静岡県です(2010年代の統計ですが)。

そして平均寿命一位は長野県ですが健康寿命は13位で、静岡県の平均寿命は21位です。

ただ、平均寿命80歳代と健康寿命70歳代の間の10年間、長いのは幸福とは言えないと思えます。
医者や介護にかかりきりでも、設備がしっかりしていれば、安心ではあります。
しかし、幸せなんでしょうか?



などと、勝手な疑問がわく中で最後に示されたデータ。

主観的な幸福度と客観的幸福度とは一致しないというものでした。

「だからといって客観的なデータが完全に無意味という訳ではありません」と著者は述べてます。
つまり、その人なりにこのデータを利用して欲しいという事です。
かなり詳細に、都道府県の所得や人口、設備、面積、自治を分析してあるので、何かの(特に若い人の)役に立ちそうです。




格差は数字になるので分かりますが、幸福って何かと聞かれれば一口に言えません。

私にとって終の棲家がどこになるかは分かりませんが、数字では測れない住み心地はあると思います。




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