それまでは、フィクション大好きで特にハラハラドキドキのミステリーに飛びついてました。
東日本大震災の後、信じられない出来事が多発しましたよね。
「事実は小説よりも奇なり」人の歴史は恐ろしい程多岐多様だと実感し、歴史書を読み出したのです。
司馬遼太郎の作品に興味を持ったのもその頃から。ブームが過ぎてからの読者です。
司馬遼太郎は視野の広い歴史文学で知られてますが、『歴史の中の日本』には奥さんが登場する珍しいエッセイが載ってます。
彼と妻は職場(新聞社)結婚です。
戦後間もない時代で新聞社勤めの女性ですから、才女です、ただかなり天然だったらしい。
ジャー(魔法櫃)が出始めの頃購入して、そこに生米を入れた。保存する為じゃないの。
そこに米を入れれば魔法がかかってご飯が炊ける、と思ってたそうです。
フィクションの読み過ぎなのでしょうか?
それでも妻の作った料理の見かけはともかく味は最高だ、、と司馬遼太郎は書いてます。惚気てるの。
他は歴史的な記述や紀行文ですが、奥さんについて書かれた部分、殆ど惚気なんです。
私が一番面白かったのは
艱難辛苦のカイあって(?)やっと結婚式目前になった時の二人の会話。
彼「早く上司に言っとかないと職場が困らないか?」(寿退職)
未来の妻「へーえ」(慌て出す)「私会社辞めるの?」
彼「それはそうだ」
未来の妻「じゃあ結婚やめるわ」
⁉️
戦前の男、司馬遼太郎は怒りを抑えるのに必死だったとか。
ただ、その時の奥さんの真意はこうだったそうです。
「妻の資格など家事能力ゼロの私にない。仕事をとれば私の存在価値ゼロだ。この人仕事してる私に惚れたのだからきっと直ぐに嫌いになっちゃう」
という事です(ちなみに司馬遼太郎は結婚歴があって前の方はごく普通の女性だったらしい)。
今の時代だとどうなるんでしょうね?
ちなみに、司馬遼太郎さんとこの飛んだ奥さんのお仲はとても良かったそうです❣️