食い意地が張ってる私、食べ物を主題にした本はとてもよく覚えてます。
働き者で心掛けの良いお爺さんとお婆さん、今日もお爺さんは山へ芝刈りに行きます。お昼にお婆さんが作った真っ白な大きなおむすびを食べようとした手が滑って、コロコロ転がったおむすび。
穴の中に落ちちゃった。
穴の中のネズミ達のご馳走になってしまったのです。
困ったお爺さんにネズミ達は同情して「お礼に宝の入ったツヅラをあげます。大きいのと小さいのとどちらがいいですか?」
と聞きます。
遠慮したのか小さい葛篭を持って帰ったお爺さん、お婆さんと一緒に中を開けたら財宝がザックザック出てきたそうですよ❣️
その物語を読んでから、おむすびが大好きになりました。
おむすび(おにぎり)は美味しいお米と水、お塩だけで、握り方やタイミングさえ良ければ、ハッとする程味が良いものです。
私は「おむすび」が日本人の長所を象徴する食物に思えてなりません。農家の人が努力して、改良を重ねて作ったお米のバラエティ豊かな味と味の良い水、日本が一番美味しいのではないかと思います。
梅雨に先駆けた田植え、日々手入れして工夫して虫や鳥の害を防ぎ、秋の収穫を待つ。
秋の稲刈りの直前、黄金色に輝く稲穂に秋の爽やかな風が吹いてそよぐ稲の波。幼い頃見た原風景みたいなものが浮かぶと、とても幸せな気分になります。
おセンチな懐古に浸ったついでに、大学時代に習った鳥越信先生の「児童文学」の話を思い出しました。
おセンチな懐古に浸ったついでに、大学時代に習った鳥越信先生の「児童文学」の話を思い出しました。
入学したばかりの私、教養課目で取ったこの授業が大好きでした。
今どきあまり流行らない熱血教師だった若い鳥越講師(後に教授となる)は、未来を考える日本童話を教えてくださいました。
先生に言わせると、著名な童話作家小川未明などはダメなんだそうです。
小川未明の童話は抒情性があって私は好みだったので、かなりショックでした。
その時、反感を覚える以上に興味深かったのは、きっと鳥越先生の教え方がとても面白かった為でしょうね。
先生に言わせると『三年寝太郎』という童話は非常に良い!んだそうです。
グータラ横になってばかりいる若者が起きてちょっとしたことから成功するだけの物語のどこが良いか?と言うと、つまり「この若者は寝転んでいる間に世間の情勢をじっくり観て、計画を練っていた」からだそうです。
旱魃に苦しむ村にどうやって水を引き込むか?三年に渡り思案した彼はムックリ起き上がると河上にある山に登って大きな岩を上から落とした、その岩が河を堰き止め田んぼに水を貯めて、灌漑工事の基礎を作ったそうです。
ちょっとした事どころか、大した知恵です。
つまり「こんな民話がホントの児童文学と言える」と鳥越先生は説いたのですね。
この授業はたいそう評判が良くてズル休みする生徒も殆どなくて、私も大好きで優を取れました。好きこそものの上手であります。
面白いお話、面白い授業、それが為になるなら、一番ではありませんかね。
さておむすびのオカズは煮干しと大根おろし、それと味噌汁です。
最近、なんだか少しスマートになれました。お砂糖と油節約した料理が多いからでしょうか?