本著の老後破産とは、ローンなどの借金が払えず全財産を差し押さえる、つまり自己破産とは全く異なる。
加齢や持病の為に年金だけで生活する高齢者が対象になる。
生活保護費の支給基準(一人約13万円)よりも年金収入の低い老人が、病気や怪我で暮らしが成り立たなくなった時、老後破産に陥ったと捉える。
登場する老人達は過去に真面目に働き、現在節約生活をしてる人が多い。
自営業や仕事を辞めざるを得なくて年金が少ないのである。
それでも、本著の例にあるが国民年金6万円の収入で病気を抱えどう生きていけば良いのだろう。
ただ、本著の誰もが、生活保護を受けるのを躊躇している。
それは、僅かでも貯金があるからだ。
この貯金で自分の最後の後始末をして欲しいと願っている。
生活保護費は、いくらかでも預貯金があると支給されない。
前例を作ると際限なくなるからだろうと思う。
家賃など生活費はどんなに節約しても赤字になる。
その分貯金を工夫して切り崩し、それが尽きた時に死にたいと言う人がいた。
大した貯金高ではないが、大切に貯めておいたものだ。
だんだん目減りしていく貯金高を見るのは、働けない人にとって不安と恐怖に苛まれるものだろう。
全国で、老後破産に近い人はかなりの割合でいる。
格差が開いた事にも一因は有るだろう。
辛い生活になる前にセーフティネットを設けて欲しいと思う。
先ず安く清潔な高齢者の住まいの確保で、大分状況が変わる。
多分その街の高齢者も元気になれるのではないか。
^_^
現在、家賃補助付きのセーフティネット制度を開始した自治体もある。
高齢者も必要な情報を取り入れて、自ら生活し易くしていきたい。
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