同じ場所へは行けるが、同じ時間に行く事は不可能だ。
大好きな故郷がもはや子ども時代に見た故郷と同じものでない。
同様に大好きな土地も、昔と同じものではない。
これは残酷な事実である。
長野新幹線が出来て軽井沢はつい隣町の様に行ける、都会的な避暑地となった。
しかし、昭和30年代に中学生だった私が見た軽井沢はまるで違った土地である。
それは夏の修養会だった。
木造りの駅を降りると、店が点在する広い空き地であった。
冷んやりと澄んだ森の中で、ミッションスクールの女子生徒は聖書を読み、丁寧に作られたカレーを食べた。
その軽井沢に作家小池真理子が住んでいる。
おそらく彼女もこの土地のしんと清らかな空気に惹かれたに違いないと思えてしまう。
軽井沢を舞台にした『恋』で直木賞を受賞して、以来一線で活躍する作家である。
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