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時計台を見る。
見るとそこで待ち合わせる男女を考える。
突然の銃弾の音、男はビックリした顔のまま倒れる。
私がそんな事考えて時計台見てるとは人は思うまい。
なんて想像してニヤリと笑う。
この方がよっぽど気持ち悪いだろう。
物騒な物語を頭で描いてにこやかにしてるのも素人だからで、殺しについても小説についてもプロは甘えた書き方は出来ない。
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それにしても、現実でもフィクションでも虐殺や大量殺人が多い。
事実の方が小説以上に奇々怪々である。
古典的な推理小説しかよく知らない人間は前世紀の遺物なのだろうか?
それでも昔懐かしい、ロマンティックなミステリーを書きたい。
例えばアガサクリスティの『ナイルに死す』みたいな。
現実の世界よりも優しい殺人劇を作りたい。
人を殺す事がまるで人形でも分解する様に行われている今、ちょっと血の気のある物語を作りたいと思う。