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読書の森

懐かしの『半分青い』

2018年上半期の放送された朝の連ドラ『半分青い』を覚えてらっしゃいますか?
この年2月介護してた母が他界して、心がボロボロになっていた自分にとって、これは特別なドラマでした。
ドラマを観ている時間帯だけ現実を忘れて引き込まれていったからです。

高度成長期の1971年に生まれた鈴愛(すずめ)ちゃん、可愛いくて非常に個性的なヒロインでした。
岐阜県の長閑な町で生まれ、軽度の障害を負って(片耳が難聴)、それもドンマイと吹き飛ばすエネルギーを持った女の子。
岐阜県生まれの自分と重ねて、他人と思えず観てました。

このすずめちゃんは、打たれ強いと言うかめげないと言うか、失恋や失敗を繰り返してもめげずに直ぐ次に挑戦しちゃう女性、前向きと言えば前向きですが、熟慮してなくて即実行して失敗、トンマ過ぎる、点が多々あります。

それが面白いし、展開がダイナミックで観ながらジェットコースターに乗ってる気分でした。

このドラマを愛する視聴者、出鱈目な展開だと酷評する視聴者が極端に分かれています。
今までの朝ドラ離れしてて、個性的なドラマと言って良いでしょうね。

この作品から、今迄の朝ドラのパターンを外れたモノが出てきたようですね。



すずめは小さい時から(同じ産院で生まれた)ずっと仲良しの幼馴染がいます。律と言うカッコよく頭の良い(理系)の男子。

熟慮断行型の律はすずめの言動にハラハラしながらも見守らずにいられない。
客観的に見れば学術優秀容姿端麗で金持ちの家に生まれた彼と、小さな食堂を営む両親の下に生まれた勉強不得意のズッコケ者のすずめは、全く不似合いであります。

しかしながらこの二人は客観的条件などものともせずに、仲良しです。高校も一緒、帰りも一緒。二人の会話は、なんだかいつも浮世離れしてて、何処か懐かしい昔みたいな青春を送ってます。

私はグッと来てしまいました。
バブル直前の高校生を団塊時代の高校生と重ね合わせたのです。

お子様のような青春期は短くて、律は東京の有名私大へ入学、すずめは一大決心をして漫画家修行を始めます。単身上京、尊敬する一流漫画家の事務所に弟子入りして貧乏な修行生活を始めるのです。
すずめは凄い頑張りでついに売れる漫画家になるのですが、その為に律のプロポーズを断り事態になってしまう。漫画家として大成するまで独りでいる、決意を述べる訳。
どちらも選んで安全な暮らしを守るなんて気がない、全く要領が悪い人です。

この後二人はそれぞれ家庭を持ち子供も生まれるのです。配偶者はそれぞれ優秀。
ところが運命は皮肉で、結局二人とも離婚する事になる。

その間すずめは漫画が売れないので断念、次の仕事を探し出す、勝手な夫の為に離婚、それでも頑張って商売が成功してもアクシデントが起きてパーになり、又貧乏な振り出しに戻ります。

律はロボット研究に成果を上げるのですが、出世志向の上品な妻とウマが合わない。
妻はすこぶるマトモな女性ですが、すずめみたいなおおらか(過ぎる)女と比べると息が詰まりそうになるのです。

そんなバカな!
という事が連続して展開したドラマで、このまま大震災の起きた2011年迄ドタバタ人生は続きます。



最後、夢の世界で降るような雨の中、発明家として成功したすずめと独りになった律が(この人は専門の技術者なので食べる事には困らない)、結ばれる事を暗示してこのドラマは終わります。

「ずっと律にそばにいて欲しい」」
「すずめを守ってやりたい」
1971年から2011年ですから、同い年の二人は40歳の分別盛りです。
ただし、ずっと高校の同級生のままのような二人に、現実の暮らしに疲れ果てた私はとっても癒されたのでした❣️



読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

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