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読書の森

嫌われる子、好かれる子

今から60年以上前の事です。
私の通う私立中学で担任の先生がホームルームの時間(今はどう呼ぶのでしょうか?生徒の自主的ディベートのある時間です)にアンケート用紙を配った事があります。

それは「このクラスの中であなたが一番好きな人、嫌いな人の名前を一名挙げてください。そしてその理由も書いてください」
(・∀・)という内容でした。
今の時代、こんなアンケートをとったらは非難ゴウゴウで、この先生学校に居られくなるかも知れません!


でも、この先生は生徒に人気のある方で、明るい元気な共稼ぎのお母さん先生だったのです。

教師が好む生徒と友達同士で好む生徒はかなり隔たりがあります。
そう言う意味でクラス全体の人間関係を掴んで、より親密にしたかったのだ、と私は思います。

又ここは私立中学の学費を出せる家庭に育つ学力がほぼ横並びの生徒ばかりで、学業第一でなかった。
良い意味でのキリスト教精神が徹底して差別意識は非常に薄かったです。

勿論イジワルな子もちょっと目立って困る子もいましたが、それなりに友人がいたようです。

第一に、その頃は紙の世界だけですから、個人情報が漏れる問題はなかったです。
生徒は気楽にアンケート用紙に記入して提出しました。

正確な結果は当然皆わからないです。
先生も全然教えてくれない。
率直にこのアンケートの主旨を説明して下さったので、殆どの子は抵抗感なかったと思いますが、、。

すごく結果が気になるのは皆一緒みたい。しばらくコソコソ囁きあってました。
不思議なんですが殆どの子は「自分が一番嫌われている筈ない」と思ってたらしい。子供の自意識が今より相当薄い時代でした。

友人間の話では、嫌われてる子は「陰気で無口な子」、好かれてる子は「落ち着いて穏やかでこちらの話をよく聞く子」でした。
具体的に名前を挙げてワイワイ言ってたけど、しばらく過ぎると収まった。
それだけの事でしたが、その後クラスの状態はちょっと良くなった気がします。皆の噂した嫌われてる子のトップがきちんとお喋りするようになったのですね。先生の力でしょうか?
私自身は脚が悪い他それほど話題に挙がる子じゃなかったみたいです。自分は見かけより自意識過剰だったんですがね。

その学校は生徒の成績順も教えず、生徒の暮らしや国籍も一切皆知りませんでした。
松島トモ子さんも在籍してた学校で、多分母子家庭や芸能人の子息、及び国籍が異なる人がいた筈です。
当時著名だった音楽家の娘さんを何人か知ってます。ただそれだけの事でしたが。
当時はお嬢様学校だと嫌がってたのですが、この学校に通えた事は自分の人生を非常に豊かにしてくれたと感謝してます。



恋愛の場合人間の好き嫌いは千差万別ですが、ただの好悪の感情は人間一般共通するものがあるみたいです。

嫌われてた子が成長後、豹変して(環境の変化や自分の努力で)とても人気者になる事はよくあります。
ただ、好かれてる子は殆どが一貫して好感の持てる大人になるようです。

後者の殆どが安定した家庭で育ち、親御さんも穏やかな人格の人が多いです。別に成績が一番では無いですがまあ頭の程々良い人で常識人が殆どです。

ところが前者の場合、特に自分の欠点を意識して跳ね除けて人気者になった人の殆どが個性豊かです。
又、一般に大人になると好悪の感情だけで動かないので、嫌われてた子にとって楽な状態になります。
なので嫌われてると悩んでる子は落ち込んで欲しくないです。

食べ物の写真を挙げましたが、ポピュラーな食べ物は殆どの人は嫌いじゃないです。
好き嫌いにもそんな要素があると感じます。

ただし大人の人間関係は、ポピュラーな好みだけでなく、より複雑なものですが。



読んでいただき心から感謝いたします。

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