
「だからね、お嬢ちゃん」
大介が言った途端メグミはふくれっ面をした。
「私お嬢ちゃんじゃないわよ!18歳のU大生です」
「しかしね、FBのプライバシー設定をフリーにして、訳のわからない男をうじゃうじゃ友達にするって、大人の女は用心してしません」
「だから、怖くなってFBはやめました」
可愛い頬を膨らましたままでメグミは言った。
大介はメグミの家庭教師でU大の先輩でもあった。
初対面の時からメグミに首ったけなのだ。
汚れを知らぬ天使とはこの事だと思う。
メグミを狼達から守りたい。
都合のいいことに今の大介の勤め先をメグミが憧れている。

メグミの両親は優秀で実直な先輩として大介を見ているらしい。
それを良い事に、休みの度に就職指導とかなんとか理由をつけてはメグミと会う。
メグミが会ってくれる以上嫌いではないのだろうが、いまいち気持ちがわからない。
大介は自分がモテるタイプじゃない事は承知している。
ただ、このお転婆の女の子を愛する気持ちは誰にも負けないつもりだ。