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読書の森

オオカミ少女(BLACK JACKより)

これ以上紹介すると著作権に触れるかな、とビビりながら、又もBLACK JACK先生登場です。



とある山中の国境、某国の政情は不安を極めて、反対派の政治家の手術を成功させたJACKは当局に追われて、車で逃亡します。

ところが車のガソリンが切れ、徒歩で逃げたJACKは大雪の中行き倒れになりかけるのでした。



幸い通りかかった娘に発見され、彼女の家で手厚い看護を受け、彼は息を吹き返したのです。
娘を、可愛い素朴な山の娘と言いたいところですが、見るも無惨に口が張り裂けた顔をしていたのです。
これは胎児の形のまま生まれたという稀にある奇形で、口蓋裂という病名がついてます。

彼女自身に何の罪も無いのに、恐ろしい顔をしている事で、周りの人から忌み嫌われたのです。
麓では、彼女はオオカミ娘で人を襲うと恐れられています。
言われなく白い目で睨まれ、いじめらた挙句、彼女は両親が残してくれた山荘に逃げ込んだのでした。

ひねくれて人嫌いになった彼女がJACKを助けたのは、彼も又幼い頃手術して傷跡だらけになった顔を持っていたからです。

JACKは命拾いしたお礼に、彼女の口蓋裂を整形してあげたいと思いました。

本来持つ美しい容貌に変われば、娘の1番の悩みは晴れるのではないかと。

人に騙され辛い体験を重ねた結果、ひねくれて疑い深い娘を説得して、彼は自慢の手術の腕を振るうのでした。
娘の上顎と下顎を上手に形良く付ける施術です。

結果、整形手術は大成功して、娘は生まれ変わった様な美貌の持ち主となりました。

そこで今迄彼女はが、抑えに抑えていた娘らしい感情が奔流の様に湧き出します。

殆ど無邪気な子供のようになって、娘は「私は美しいでしょう!」と周りの自然に話しかけます。

しかし、所詮言葉の出ない小鳥や花がそれに応える訳もありません。

お洒落した娘は麓の町へ行って、町の人に会いたくなりました。自由に明るくお喋りして、「可愛い娘」と皆に思われたい。

それは年頃の女の子なら誰もが持つ自然な心理でしょう。


BLACK JACKは、政情不安で疑い深くなった町の実情を体験しています。
町の人にとっては正体不明の娘は殺される危険があると娘を止めます。

しかし、娘は必死の忠告も耳を貸さず、山を越えて町へ行こうとします。
そして山を警備している兵士に撃たれて、若い命を散らすのです。

哀切そのもののお話ですが、このご時世に何か身に迫るものがありますね。


読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

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