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中国14億人口の幻想~幻の購買層を追うなかれ

2021-01-04 20:43:29 | エッセイ
 (後半部分に一部追加しました:2021/01/05)

 中国との関係を考えるときにまず一番に出てくるのは中国には14億人の市場があるということです。しかし、本当にそんなにたくさんの購買層がいるのでしょうか?

 実際のところ、正確な統計の数字なしでちょっと乱暴な議論になりますが、中央の共産党幹部と都市部の比較的豊かな人たちだけが海外から見ての魅力的な購買層になるのであって、その他大多数の人たち、特に地方の農民の人たちは豊かな購買力などほど遠いつましい、あるいは貧しい生活を送っているわけです。

 そう考えると、14億人の市場経済などというのは幻想ではないかという疑問がわいてきますし、実際そうであると思われます。

 昨今の中国の軍事的な増長と周辺国に対する領土拡張のもくろみ、そして世界どころか宇宙規模での覇権奪取を狙う姿勢など親しく友好的に付き合う関係どころか、少しでも関わり合いを持つことが大きなリスクになりかねない事態を考えると、われわれはどうするのが正しいのか、もう一度じっくり考えてみる時期にさしかかっていると言えます。

 現状でも、チャイナリスクという言葉があるほどの商習慣や社会体制の違いからくるリスクとビジネスでの利点を天秤にかけて付き合うことを余儀なくされているのに、これ以上の国家レベルのリスクを取ってまで中国でのビジネスを積極的に進めるべきとは、とてもそうとは思えません。

 もはや、現状からのフェードアウト、すなわち徐々に中国市場から撤退することを考える時期にきているのではないかと思えて仕方がないのです。

 私は、20数年前にある会社の役員として中国でのビジネスと関わりを持つ機会がありましたが、結局長続きしませんでした。その頃は今ほどの軍事的な脅威はありませんでしたが、上記のチャイナリスクを考えると、デメリットばかりで継続は会社にとってマイナスだと考えたからです。

 その時に、初めて中国本土へ数回の出張をする経験をしましたが、その当時でも北京や上海などの都市部と、内陸都市との格差に驚いたものでした。きっと、今ではその格差はもっと広がっているのではないでしょうか。この点は、私の憶測で申し上げているので間違っていたら申し訳ありません。

 もし、中国との関係が急に悪化した場合に、現地にいる駐在員とその家族が「人質」にとられてしまい、その解放を条件に日本政府に要求を突きつけられるようなことも考えられます。 

 また、新たな法律を作ってそれを遡及適用し、犯罪者にされてしまう恐れさえあります。この件については、香港で実証済みですね。こんな恐ろしいリスクまで背負い込んでビジネスが大切とまだ言えるのでしょうか?

 世界的なコロナウイルス流行の中、中国の国家主席の来日の話もペンディングになっていますが、その件について、為政者たちに我が国から誤ったメッセージを海外に発することがないように私としては祈るばかりです。

 また新しい一年が始まりました。この件について国民みんなで注視して行こうではありませんか。


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