自民、裏金キックバック議員の聞き取り調査結果を公表「安倍派で還流20年以上前から」の証言も
2024/02/15 21:22
首相官邸に入る自民党の森山裕総務会長(中央)=15日午後(春名中撮影)
(産経新聞)
自民党は15日、派閥パーティー収入不記載事件を受け、裏金のキックバック(還流)を受けていた議員ら91人を対象に行った聞き取り調査の結果を公表した。32人が還流を「認識していた」とし、うち11人は政治資金収支報告書への不記載も認識していたとした。
調査は森山裕総務会長を座長とし、外部弁護士を交えて実施。対象は国会議員82人、選挙区支部長3人、8の派閥・議員グループの代表者や事務総長8人の計91人(重複除く)。議員と支部長の内訳は安倍派(清和政策研究会)79人、二階派(志帥会)6人。
対象者が受け取った資金は平成30〜令和4年の間で計5億7949万円。安倍派では「遅くとも10数年前、場合によっては20年以上前から」還流が始まり、二階派でも「少なくとも10年前から(資金をプールするなどの)今の仕組みになっていた」と指摘した。
国会議員ら85人のうち53人が還流資金を使用。主な使途として、会合費▽事務費▽車両購入費▽書籍代▽人件費▽手土産代▽弁当代▽交通費▽翌年以降の派閥パー券購入費−などを挙げた。
今後は関係者の処分が焦点となる。岸田文雄首相は「今回の調査や今後の説明責任の果たし方を踏まえて判断していきたい」と記者団に語った。
立憲民主党の参院国対委員長は15日、自民の参院国対委員長と会談し、来週にも参院政治倫理審査会の開催を野村哲郎会長に申し立てる考えを伝えた。衆院政倫審は16日、幹事懇談会を開く。萩生田光一前政調会長は15日、「(政倫審の)対象になるのであれば、出席を拒むものではない」と記者団に語った。