まもなく迎える、卒業シーズン。
保護者にとっては我が子の卒業(卒園)を晴れやかに迎えたいところですが、この「卒業」に向けて、いま、ある“委員会”が議論の対象となっています。
それは「卒業対策委員会」です。通称「卒対」と呼ばれ、卒業予定の子を持つ保護者が有志で集まり、卒業生を祝ったり、先生に感謝を伝える“謝恩会”の実施や卒業生への記念品を準備したりする委員会のことです。問題となっているのは、この費用です。委員会が「卒業対策費」として保護者から徴収し、支払いはあくまで「任意」とされています。
しかし、私たちの元には、「強制的な集金」や「子どもが差別を受けた」といった保護者の声が…。いったい何が起きているのでしょうか。保護者による座談会を開き、その実態を取材しました。
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(調査報道班 及川光昭)
■母親 「卒業対策費は2万5000円」
私たちの元に、ある保護者からの“ギモン”が寄せられました。
「卒対費で購入する品目など、保護者みんなの理解が得られないまま決められている事に疑問があります」
情報を寄せてくれたのは、この春、娘が小学校を卒業するという40代の母親です。母親によりますと、卒業対策費(卒対費)として2万5000円を保護者が支払い、「卒業アルバム」や「記念品」などを購入する仕組みだといいます。しかし、この記念品の一部には、学校行事の“思い出”づくりの物も。
卒業する娘の母親
「修学旅行で6年生が着るおそろいのTシャツもありました」
さらに。
卒業する娘の母親
「卒対の品目で必要がないと思うのは謝恩会です。お菓子代と飲み物代が卒対費に入っています」
母親は、卒業証書を入れる筒やコサージュなど、卒業式で子どもたちが本当に必要なものだけを学校が用意し、その他の品目は「なくてもいいのではないか」と話します。
■卒業生の保護者「卒業アルバムは5000円、幼稚園への寄付は1000円」
卒対の実態を語る保護者 ※画像の一部を加工しています
疑問を抱く保護者もいる“卒業対策委員会”。
実態はどんなものなのか?私たちは、子をもつ3人の保護者と座談会を聞き、話を聞きました。
まずは、子どもが関東の私立幼稚園に通う、保護者のAさん。卒業対策委員会の役員で、会計係を担当しているといいます。
“卒対”のメリットについて、こう話します。
保護者Aさん
「やはり、卒園アルバムですね。子どもが大きくなったときに見返して『こんなこと頑張ったよね』と“思い出”としてつくってあげられるのはメリットかなと思います」
一方で、“卒対費の集金の仕方”については疑問があるといいます。
保護者Aさん
「以前は、保護者全員がお金を払っていました。全員が寄付をすることが前提で『お金を集めます』というのは私はちょっと疑問に思っています。寄付は任意なので、今年度は寄付の意思がある人だけ集めるようにしています」
その“卒対費の使い道”は。
保護者Aさん
「アルバム代が5000円ほど、幼稚園への寄付が1000円、先生への花束代が大体200円です。保護者は、『みんなが持っているのにうちの子だけが持っていないのは“かわいそう”』という理由で、仕方がなく払っている人は多いと思います。一番必要がないと思うものは『幼稚園への寄付』と『先生への花束』です」
Aさんは、“幼稚園への寄付”や、“先生への花束”は本当に必要なのかと疑問があり、お金を払いたくないといいます。
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以下略ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー