添乗員がお客様を連れて とある目的地に着き
そのときまずするべきことは?
と訊かれれば 人数と乗り場の確認だと習った。
しかし、現実は違う。
まず第一にトイレの確認であると思う。
そのくらいトイレ、トイレ~、トイレー!と言われる。
トイレといえば
少し前外国人と京都に行ったとき 下見の大切さを痛感する事件がおきた。
東京と違って公共施設は和式トイレだけ、さらに紙が備えつけられていない
ところが多かった。
市バスで金閣へ移動。京都駅からは思ったより混み、しかも渋滞だったため予定よりだいぶ遅れた。
金閣は金閣で修学旅行生でごった返していた。
トイレ休憩をしたとき
「紙をちょうだい。」という声が聞こえてきた。
春先で花粉症のため 自分のリュックサックには大量のティッシュはあることはあるが
女子トイレなので入れない。
そのため 近くにいたどこかの女子修学旅行生に頼んで
渡してもらった苦い経験がある。ただそのポケットティッシュは街頭で配っている
風俗店のものだったので気がひけたがそうも言っていられなかった。
ないよりましってところか。
通訳ガイドの仕事は確かに 金閣についての情報やその頃の文化など相手の興味に
合うような内容にするのも大切である。
だが、それ以上にもっと重要なのはトイレや食事といったソフト面のほうである。
ホスピタリティと一口にいっても相手が当然してもらえるはずと
期待している部分がこのようなソフト面なので ここが足らない、気配りがないと
思われればガイド失格の烙印は間違いなく押されるだろう。
逆に期待していなかったが、喜ばれるような機転があれば そのガイドはできるガイド
と見做されるだろう。
尾籠な話になるかもしれないが
よく神道の話をだすとき、「日本には八百万の神がいます。」・・・八百万はeight million deities
といっている。そのなかには海の神、山の神 云々といったあとトイレの神様もいる。というと
驚かれる。一神教で神は唯一無二(この場合ではGodという)なので違和感があるのだろう。
There are over eight million deities in Japan. And some of them are the deity of the mountain,
the deity of the ocean, etc. Even the deity of the restroom exsists.
お客様を歩かせる時間だとか、エレベーターまたはエスカレーターの有無など
些細などうでもよいようだけど我慢させるとストレスになり不平不満につながりやすい。
震災の影響でどっかと仕事がないこの時期は
趣味と実益を兼ねて下見三昧ができる格好のチャンス。
利用しない手はない、休みはデジカメ持ってど定番めぐりをしよう。

先日ファミレスで食事をした。
ちょうど昼だったのでかなり混雑していたのだが
店員さんが困ったお客さんに困惑している場面に遭遇した。
そのお客さんが注文した料理が
間違われて一旦別のお客さんを経由し、
その料理がそっくりそのまま困ったお客さんに
送られたとき
「そのランチは食べないよ。それはテーブルにおいて、
新しいものを作ってくれ。」と言った。
「何でだろう?」別に食いかけでもないのに。間違えたものが食べられなくなる
という発想をする人がこの世にいることを知らなかったから不思議で仕方なかった。
間違えたランチをテーブルに置かせたのも 使いまわしするかもしれないことを
怪しんでの行動だろう。
添乗や通訳案内の仕事は対一で接する機会がおおく、それがその旅行の満足度に反映する。
顧客満足(Customer Satisfaction)に向かってさまざまな工夫を凝らしたとしても
100%はない。そして大方のお客さんの満足を得られたとしても
理不尽な物凄いクレームをつけるものがいる。
聞いた話だが、ツアー中 ガイドさんがご当地ソングを歌ったら
「うたなんて歌いたくないし、聞きたくなかった。」と言われたそうだ。
みんなで歌いましょうというコンセプトのツアーなのにだ。
あたる対象がいないから
ついつい反論しなさそうな添乗員や通訳案内士に矛先が
向けられるのだろうけど
家族や知人だったら絶対に間違いなく、自分はきれてるだろうと思うことばかり。
現在講師の仕事をしているが
ウルトラC並みの要求を出される。
①今20点台だけど、次回は80点以上に。(テストまで1週間しかない!)
②暗記をしないで英語を覚えたい。
無理な話である。80点を取る人は普段からこつこつやっているものなのに
いいとこ取りしようなんて甘い。「がんばれば可能」と言ってやりたくても
それまでやっていないから20点台なわけで、やらされている感がある限り
伸びない。
暗記をしないで英語は覚えられないし、それ以前にどんなコトだってできない。
しかもこういう要求を出してくるのが親だったりするから厄介。
それなりの方法論を言ったところで聞いていないし、己の主張を通す。
旅行業は一過性だから 団体ツアーは静かに過ごすのかと思っていたが
甘かった。ほんの1,2名の困ったさんがいるだけで車中の雰囲気は一変してしまう。
通訳案内士の場合は外国人よりも一緒に参加してきた
日常会話程度はできると(思っている)日本人のほうに気を遣うことがあるとも聞いたことがある。
虎視眈々と「どれお手並み拝見といこうか」と間違えるのを待っているようで
通訳案内士にとってはさぞやりにくいだろう。
日本事象などガイドが話す英語ガイディングを聞いてわかるレベルの日本人の中には
年号や人口のような数字を指摘するものがいるらしい。
日本人相手と外国人相手では興味関心が違うので
年号なんかよりもその場所にまつわるエピソード
のほうが受けがいい、さらに話に集中してくれるのになあ。
困ったちゃん対策って国によってことなるのだろうか。