ここ数年 およそ月に1回は泊りの旅行に出かけることが多くなった。
名目は自己研鑽。日本各地を満遍なく廻れればよいのだけど
行きなれた京都 大阪といった関西が多い。
基本交通手段は鉄道。よく東京から大阪までのぞみ号なら2時間半、ひかり号なら約3時間、
そしてこだま号は4時間もかかるので敬遠する人が多いが
割と座席が空いていて時間が有効に使えるこだまの4時間って使い勝手がいいように思う。
のぞみだとやれやれと乗り込んでゆっくり弁当を食べ、
研修ファイルなどに目を通して うとうとすればもう新大阪。
その点 こだまはちょっとした自分のテリトリー内で好きなことだけをできる時間である。
電話に出られなくても移動中だからおとがめもなく、
全自由行動なのが利点である。
よくやっていること
①駅弁を食べる
②資料の整理をする
③景色を眺める(一般道を走る自動車と比べていかに速いかを実感。なぜか優越感がある。)
④うつらうつら眠る
⑤富士山探しをする
列車の旅は圧倒的安心感があるから
うとうと寝られるのだとも思う。もちろん治安と鉄道自体の安全、安心というのもあるが。
決められたレールを走り、時間になれば必ず着くという安心感。
自動車の運転とは違って相手任せの丸投げ状態の無防備感。
乗っている時間は誰からも干渉されないという治外法権感。
だから大雪のなか徐行して走る新幹線に乗って
吹雪のなかどうにか歩いている人たちの気の毒さをはた目で眺めながら
自分は座席に広げた弁当やアイスを食べていたりする。外気は寒かろうと
新幹線内はぽかぽかと暖かいのでアイスはもってこいである。
そんなひとり時間をゆっくり過ごせる新幹線なのだが
この前 となりにやってきたおばちゃんと東京までの約4時間を一緒に過ごすことになった。
いつもはありがたい貴重な時間なのだが
このときばかりは「早く着かないかなあ」と願いばかり。
おばちゃんは別に悪い意図はないと思うが
姑のことや前回旅行行ったメンバーの悪口を延々と話され
さらに同意を求められるので
いつものリラックスムードがなくなってしまった。
初対面で重そうな荷物を網棚に載せたのが運の尽きだったのか、
このおばちゃんは団体旅行に1人参加していると言っていたから
他に話し相手がいなかったからかどうかはわからないけど
ひたすら聞き側にたつというのも疲れるものだという感想だけが残った。
旅は出会いだから話す機会があるのはとてもうれしいことで、
印象深い経験もたくさんあるのだけど
この方はマシンガントークで一方通行気味で
コミュニケーションではなかったのが 困憊の印象を持つにいたったのだと思う。
それでも旅は旅。嫌な思い出だとしてもこころの振幅があるような経験は
貴重なもの。だからやっぱり止められない。