日本をセールス!通訳案内士

日本観光、エンタメ、旅行、英語etc 日々の雑感

松本清張

2012-03-29 00:32:15 | 日記


近所の古本屋で松本清張「点と線」を買った。
さすがと思わせるような文体だったのでスラスラと
あっという間に読んでしまった。読み切りたいため
新宿駅の特急待合室にしばらく篭ってました。

4つの決して崩せないアリバイを崩していくのだが
時代を感じさせる部分もあった。
例えば「電報」。鉄壁のアリバイの道具として出てくるのだが
物語の筋とは別にどうやって電報って打ったのだろうと気になった。

今だったら携帯で直電するか、メールを残すだろう。
GPSを使えば居場所だってわかってしまうこと。

この背景の時代は昭和30年代初頭くらいで、戦争からの復興も一段落し、
所得倍増となり 旅行に出るという贅沢も現実味を帯びてきた頃である。
日本全国 津々浦々鉄道網が敷かれ、動くホテルと言われたあさかぜをはじめと
するブルートレインが走りはじめ、
東京 大阪間には日帰りを可能にした153系こだま号も
登場したりと明るいニュースが続いた。まだまだ旅の基本は鉄道であり、
チケットを取ることも現在より各段に困難だったらしい。

鉄道ファンの目から読んでみると、寝台特急あさかぜの旅っていうのが
羨ましい。東京博多17時間もかけての旅。
発売された時代では20系が出る前の10系だったのかもしれないが
乗って見たかった。

もっとも特ロや2等だったら快適なのかもしれないけど これが3等だったなら硬い
ボックス席で20時間も過ごすことになるわけで これは嫌だな。
考えてみれば一部の特急を除いて この頃は冷房なんてないんだった。

鉄道博物館に行けば、20系の実車がある。外から中を覗くだけだけど
3段寝台は狭そう。横になれるだけでも豪華だった時代なのか。
現在のカシオペアなどと比べると設備は見劣りするが 当時の最先端だったと
考えるとパイオニア車と言えるのかもしれない。

犯人のトリックを暴こうとする刑事は犯人は飛行機で移動したのではないかと
考え、JALの福岡→羽田、羽田→千歳のフライトスケジュールを見て
移動可能なことを突き止めるが
読んで真っ先に「飛行機で移動したのでは?」と考えた。
この作品が発表されたころ読者の多くは飛行機移動なんてなじみがなかったから
こんなトリックが斬新に思えたのだろう。

これって時代背景がかなり関わっているのではないか。
きっと当時は飛行機は存在していたがそれ程大衆化していなかった。
話の中では2、3日前までに予約が必要で当日ではまず搭乗できないだろう
と言っている。ってことは庶民の足は鉄道(3等車)だったのだろう。

意外性と当時の社会背景がわかる点もよかった。







道案内

2012-03-26 00:05:01 | 日記



某日 新宿駅 JR西口地下改札口で見知らぬ、外国人女性に声をかけられた。
全く日本語はわからないようだったが、メモに「亀戸」と書いてあった。
改札の前でどうして良いかわからず、困っていたのだろう。

この外国人に英語で説明した。

まずは亀戸を一旦ローマ字でKAMEIDOと書き、運賃表(ローマ字)を一緒に確認しながら
持っていた傘を指し棒にしてYour destination is here, Kameido.
でも、わからない様子だったのでYou are going to Kameido. Right?
この時点で周りの人がジロジロ見てくるので小っ恥ずかしい。
でも、
やった!!通じた。次はその料金表の210円をまたまた指して、
Your fare will be 210 yen. And insert coins and press the button saying 210.
そして出てきた切符を取り、さああとは13番線の総武線各駅に乗れば一本でいけるからと
説明した。Ok,OK.と答えてくれたもののわからないかもしれないと思い
近くの駅員さんに頼んだ。
 
「この方は亀戸に行きたいと言っていますが、どの列車に乗ればいいのか
わからず困っているようなので、ホームまで連れていって欲しいのですけど?」

すると

「13番線行ってください。」とにべもない返事、しかも日本語。

それはもう伝えてあるんだけど・・・。案の定改札を少し入ったところで立ち止まっている。

駅員さんは忙しいのだろうが案内することも仕事の一貫なのでは?
困った様子の外国人を見捨てるみたいだったから
この駅員に「困っている様子なのでホームまで案内してきたいのですけど、いいですか?」
と訊いたら「130円です。駅構内に入るのであれば入場券が必要です。」

えっ、なんだかなあ!!

結局、たかが数10メートルで済む案内をしに入場券を買って見送ってあげたのでした。

果たして英語が通じたかどうかは疑問だ。見た目も反応も、漢字を使っていたことからも
中国人のようだったから。ただ、伝えようとしている気持ちなんかは分かってくれたのでは
ないか。こういうものこそ草の根レベルの日本セールスで、日本よいとこ、一度はおいで
となって評判や噂は広がって行くはず。そう願う。

鉄道や航空、バスなどは外国人がまずお世話になる交通手段。
移動するのが主目的かもしれないが
どんな旅にせよ移動車中も雰囲気を作る部分である。
ガイドや添乗員がついていようがいまいが
旅全体のうちのかなりを占めるだろう移動中が少しでも快適で
いいものであるように作っていけるのは接したり、対応する人間。
つまりはソフトの部分なのだ。
ハード面は鉄道に関していえばかなり先進的だと思う。
定時運行も、揺れの少ない快適な車内も
駅構内の設備も利用しやすいから。

それでも旅の思い出に一番残るものって出会いやふれあい。
人とのコミュニケーションが軸だろうなあ。





暗記の弊害

2012-03-21 04:18:13 | 英語




受験するには暗記はつきもの。
中学生のころ、当時の単語帳には音声記号(発音記号)は書かれていないものも多く
スペルと日本語の意味を繰り返し書いて覚えていた。

だから、friendは「フリエンド」と頭でリフレインしながら手に覚えさせる作業だったように
記憶している。

やがて音声記号つきの単語帳やテーマ別単語帳、さらにはCD例文付きなど出てくるようになった。

とはいってももともと英語のスペルと日本語訳を一致させて暗記に慣れていたため
リスニングには苦労した。
記憶している発音と実際に話される正しい発音が違うことがあり、困った、困った・・・。

grandprix 当然「グランドプリックス」と記憶、実際はグランプリ。

それ以降は割と発音、スペル、アクセント、意味などを確認しながら覚えるようにしていたのだが
ガイド試験を通ったあとに気がついたものも実はある。

それはabalone。これは辞書で調べなくても普通に「アバロンだな。」と思っていた。
回転寿司屋に入ったとき、これは何かと訊かれて
心の中では「丸暗記しておいてよかった。」と感じつつ
出てくるタネに対して
さんま→saury pike、 うに→sea urchin、いくら→salmon roeなどなど(スペルは曖昧です・・・)
順調順調。

ところがabalone「アバロン」といっても「???」な顔。なんで??通じていないのか。
こんな時は説明バージョンで、It's a kind of shellfish.... もう一文続けようとした折に
「アバロウニ」と訂正していただいた。

まあ、個人的にあわびを食べる機会はほとんどなく、これからも限りなく少ないだろうから
ここで訂正されなけrば一生アバロンと読んでいたかもしれない。
「多分こうよむだろう。」は早合点、調べることはホントに大切だと痛感した。

expertiseもその一つ。純国産で英語を学んできた自分にとっては正しい発音かどうかは
音声記号が読めたとしても不安なもの。

また、ガイドになって教本というか教材に書いているものが絶対というわけではなく、
説明調にしたほうが通じやすいということもあることも肌で感じた。

例えば おでん。 用語集では Japanese hotch-potchと書いてあるが
こたまぜのニュアンスでちょっと違うものを想像してしまうそう。
Japanese-style stew と言っておいてからIt contains a variety of vegetables, fish paste...
専門用語と一般に使うような言い方二つを知っておかないと 誤解が生じる可能性がある。




キテレツな人々

2012-03-20 00:12:45 | 日記


日本が誇れるものと訊かれて 真っ先に思いつくものは新幹線。
東京駅で通勤列車なみの3分間隔で発車していくさまは圧巻である。

以前外国人に「のぞみ○○○号 東京6時03分発」というのはミスプリントではないかと言われた。
6時ちょうどではないの?と。
そんなとき
実は15秒間隔で発車時刻が決まっていることや停車位置がピッタリなことにすごく驚かれる。

まあ、TGVやAVEのようなヨーロッパの優等高速列車でさえ、確かに最高速度は300キロを超えているかも
しれないけれど、定時発車、到着の厳密性では日本のそれよりファジーだし、
ターミナル駅の到着番線だって、その日になってみないとわからないこと多いことを考えれば
几帳面な日本人気質を表しているよなと思う。

さて、JR中央線の混んだ車内にて。
新宿駅で乗り込んで来た客に押されて目の前が酔っ払いのオヤジの目の前にいた。
なんとこのオヤジは口のなかのカスを取りたいらしくて、指を口の中に入れてもぞもぞとしていた。
そしてなんと手にとったカスを目の前の吊り棒にこすりつけていた。ティッシュを持っていなかったかららしい。

それからまた口の中に手を入れてもぞもぞもぞ・・・。
それから歯が出てきた!上の歯の入れ歯がそのまんま出てきて、それを何かに拭おうをしていた。
自分の意志とは無関係に押されて、そのオヤジの方にますます近づいていく。
そして、そのカスのついた歯を他人の服で拭こうと擦りつけてきそうになったので
腕を掴んで阻止してしまった。

歯が出てくるだけでも驚きなのに・・・カスまで人に拭おうだなんて こりゃおそろしである。

学生のころからシャドーイングを行なっている。
通学時間は絶好のタイミングでヘッドホンをつけながらぼそぼそとやるわけだが、
ある時はたと気がついた。
ブツブツぼそぼそは傍から見ればキテレツな人。つまりは上記の歯クソオヤジとおんなじように映って
いるのではないか?

それからマスクをしてシャドーイングに変えた。これなら花粉症防止、風邪の予防というように
思われ安心だな。と一件落着な様相だったが、
意外にもマスクが動くのだ。
英語の発音を真似しようとすればするほど
口の動きが激しいので動く。

すると少しずつマスクがずれ、下がってしまう。
リテンションの記憶保持能力もあまりないので
少し長いセンテンスが来ると声もだんだん大きくなるみたいで
またキテレツの仲間入り〜。

なにかいい方法はないか模索中である。アイデアがあればお聞かせください。




大阪ひとり旅

2012-03-18 22:10:37 | 旅行


一月末を利用して、大阪&京都へ2泊3日の一人旅をしてきました。
といっても、通訳ガイドするところの下見が半分でした。

大阪の街をぶらぶらしたことはあまりなかったので、新鮮でした。
基本的に一人で知らない土地を回っても気がつきにくいので大阪オールスターズという
通訳ガイドの方から案内していただきました。(当日は一人だけ、つまり貸切状態。)
本当は英語なんでしょうけど日本語で話していただき、笑いながら、面白く、役立つ情報満載で
お勧めです。

まずは大阪駅 今や駅自体がオオサカステーションシティという観光スポット。
どこかヨーロッパのターミナル駅を彷彿とさせるスタイル、電力も太陽光発電を行なっているというから
エコフレンドリー。大阪駅には7つの趣向を凝らした時計があるそうで
金の時計、銀の時計、さらには水のカーテンが時計になるというすごいものもあり
言われなければ気がつかないだろうなあ な発見がありました。

それから御堂筋線に乗り換えてじゃんじゃん横丁へ。コテコテ浪速な雰囲気で新と旧を駆け巡る感じでした。
だるまの串かつ(牛肉、アスパラ、レンコン・・・)初でした。ごっつおーさん、軽くていくらでも食べられそう。
通天閣では似顔絵を書いてもらいました。この絵師のかたはもともと映画の看板を描いていたそうで(寅さんとか)
どことなく映画タッチ。

ツアーはその後ド派手なバスに乗って道頓堀に行き、あのグリコの電飾のところで解散となったわけですが
参加して大正解!!!さまざまな出会いや体験もあったりで3時間はあっというまでした。大満足〜。

東京人だったらまずしないだろうことは客引きに話しかけることでした。
話しかける=何かを買わされる、変な宗教などへ勧誘されるかも 
という図式があるので基本無視しているのだが、
大阪のかたは違った。「ごめん、昼ごはん食べたわ〜」と返答する人が多いみたい。

さらに、大阪の見知らぬおばちゃんから「あめちゃん」を貰った。
バスで隣になったおばちゃんが、突然「はい、あめちゃん」と言って
ニッキ味の飴をくれました。
人情味のある街なのでしょうね。こんなちょっとおせっかいモードの雰囲気楽しいです。

それにしても食べ物が本当に安くて美味しかった。
通訳ガイドがここは美味しいというくらいだから絶対にハズレはないと考えたのは正解でした。

なお、大阪オールスターズは規模を拡大する予定だそうなので
別のツアーに今度は旅仲間を連れて行きます。

大阪オールスターズhttp://allstarosaka.com/japanese.html