物色中に懐かしいものに邂逅した。
尾形法夫(中学生)が勉強中に聴いたラジオで放送された曲の曲名をあてる懸賞問題があった。
ヨハンシュトラウスの「青きドナウ」が自分の耳には聞こえるのに、なぜか一緒にいる兄には聞こえなく、幻聴だと言われる始末。
翌日、その曲を確かに聞いたという同級生の今西妙子と一緒に懸賞応募はがきを「ミュータント研究所」に出してみると賞品は喋る金属の箱、しかも法夫と妙子にしか聞こえない‥その声に従って二人は東京タワーの展望室へと行く。
ここで読んでいてワクワク、早く続きが知りたい
東京タワーの展望台で二人は他の応募者に会い、そマイクロバスで「ミュータント研究所」へと連れていかれ研究所所長が登場。
応募者は他の人間には聞くことができない音「赤外音楽」で会話が出来る「R6号」という機械を渡し、絶対に口外しないことを誓わせ、一週間後に東京タワーの展望室に集まる約束をする。
その後は記憶喪失事件や応募者たちがひとりまたひとりと失踪していく展開。物語は佳境へ。
法夫は所長からすべての真相を知らされる。実は所長らは地球人ではなく、地球は滅亡するので唯一「赤外音楽」を聴くことができる法夫たちこそが救われる資格があると。
「救われるのはたった8人なんて少なすぎやしないか 」と突っ込んでたな、あの頃。
しかもさらに条件があった。仲間になり助かるには記憶を抹殺しなければならず、家族も友人たちの記憶はなくなるのだ。
自分だったら葛藤してるところ。「記憶か生存かそれこそが問題だ」ってことでしょうか
法夫と妙子は地球に残る道を選択する。しかも研究所には伝えずにだ。じきに地球が滅亡することを二人は知りつつも、だって地球最後の瞬間は家族とがいいと話す。
少年向けにしては暗いし救いがないし、漠然と怖い。
これはドラマ版で書籍では宇宙人たちは赤外音楽を利用して地球征服を企み、主人公たちに暴かれ逃亡する話になっている。
古本屋巡りはこんなお宝に出会うこともあるからやめられない。
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