日本をセールス!通訳案内士

日本観光、エンタメ、旅行、英語etc 日々の雑感

お客様は神様?

2011-04-30 03:19:27 | 添乗



先日ファミレスで食事をした。

ちょうど昼だったのでかなり混雑していたのだが
店員さんが困ったお客さんに困惑している場面に遭遇した。

そのお客さんが注文した料理が
間違われて一旦別のお客さんを経由し、
その料理がそっくりそのまま困ったお客さんに
送られたとき
「そのランチは食べないよ。それはテーブルにおいて、
新しいものを作ってくれ。」と言った。

「何でだろう?」別に食いかけでもないのに。間違えたものが食べられなくなる
という発想をする人がこの世にいることを知らなかったから不思議で仕方なかった。

間違えたランチをテーブルに置かせたのも 使いまわしするかもしれないことを
怪しんでの行動だろう。

添乗や通訳案内の仕事は対一で接する機会がおおく、それがその旅行の満足度に反映する。

顧客満足(Customer Satisfaction)に向かってさまざまな工夫を凝らしたとしても
100%はない。そして大方のお客さんの満足を得られたとしても 
理不尽な物凄いクレームをつけるものがいる。

聞いた話だが、ツアー中 ガイドさんがご当地ソングを歌ったら 
「うたなんて歌いたくないし、聞きたくなかった。」と言われたそうだ。
みんなで歌いましょうというコンセプトのツアーなのにだ。

あたる対象がいないから 
ついつい反論しなさそうな添乗員や通訳案内士に矛先が
向けられるのだろうけど
家族や知人だったら絶対に間違いなく、自分はきれてるだろうと思うことばかり。

現在講師の仕事をしているが
ウルトラC並みの要求を出される。
①今20点台だけど、次回は80点以上に。(テストまで1週間しかない!)
②暗記をしないで英語を覚えたい。

無理な話である。80点を取る人は普段からこつこつやっているものなのに
いいとこ取りしようなんて甘い。「がんばれば可能」と言ってやりたくても
それまでやっていないから20点台なわけで、やらされている感がある限り
伸びない。
暗記をしないで英語は覚えられないし、それ以前にどんなコトだってできない。

しかもこういう要求を出してくるのが親だったりするから厄介。
それなりの方法論を言ったところで聞いていないし、己の主張を通す。

旅行業は一過性だから 団体ツアーは静かに過ごすのかと思っていたが
甘かった。ほんの1,2名の困ったさんがいるだけで車中の雰囲気は一変してしまう。

通訳案内士の場合は外国人よりも一緒に参加してきた
日常会話程度はできると(思っている)日本人のほうに気を遣うことがあるとも聞いたことがある。
虎視眈々と「どれお手並み拝見といこうか」と間違えるのを待っているようで
通訳案内士にとってはさぞやりにくいだろう。

日本事象などガイドが話す英語ガイディングを聞いてわかるレベルの日本人の中には
年号や人口のような数字を指摘するものがいるらしい。
日本人相手と外国人相手では興味関心が違うので 
年号なんかよりもその場所にまつわるエピソード
のほうが受けがいい、さらに話に集中してくれるのになあ。

困ったちゃん対策って国によってことなるのだろうか。



通訳案内の仕事?

2011-04-29 03:03:48 | 通訳案内士



昨日 珍しい体験をしました。
何と空からお札が降ってきた!!!
千円札たっだのだけど 風に舞ってひらひらと。
ただのゴミかと思っていたら・・・それはお札(さつ)。
お札(ふだ)だったら怖いですね。
 
ここ数日 風の強い日が続いていて
ビニール傘も次から次へと壊れてしまい、もう五本目となりました。
小さすぎれば体に入りきらないし、逆に大きいものは骨が弱い。
職場から出た瞬間に、バスを降りたと同時に突風は吹いてきて
傘をだめにし、びしょぬれになったりすることもしばしば。
困ったものです。

珍しい経験といえば
昔、青森の恐山を案内したことがありました。
恐山といれば三大霊山の一つで
賽の河原などその独特の雰囲気はこの世とあの世をつなぐ場所にふさわしい。

雰囲気が伝わればここは大丈夫だろうと思っていた矢先、
知人の韓国系アメリカ人のスティーブ(仮名)が言った。
「最近亡くなった祖父を呼んでほしい。そして心残りがあるかどうかと
今 われわれにできることがあれば伝えてほしい。」

困った、困った。スティーブの話す英語を日本語に通訳するのはできるが
イタコさんの日本語を英語ができないのです!

イタコさん、ぼそぼそと何を言っているのかわからないし、津軽弁なのか訛りがかなり
あるのでちんぷんかんぷん(It was all Greek to me.)なんでありました。
まさか、イタコさんに「今のは○○って意味ですか?」なんとは訊けないし、厳かな雰囲気のもと
聞き返すのはもってのほかな感じがしたのと
じっさいイタコは憑依された状態なので自分の意思とは無関係に話しており、聞き返しても
反応はなかった。

「みんなが集まってくれ、自分のことを今でも想ってくれてありがとう。」
「これからも今までのように集まって家族の絆をつないでほしい。」などありきたりっぽい内容の
ことを言ってしまった。

雰囲気が伝えられれば問題ないのか、それともああいう場でも不明なものは聞き返しておくべきだったか
通訳案内と通訳の違いって実はこんなところにあるのはないかと思うようになった。

通訳案内は顧客満足が最優先されるわけだから、スティーブが喜んでいる限り ガイドとの関係もまた
ウィンウィンである。
これが通訳だったら誤解や齟齬は良好関係を崩す。しまいにはあの通訳さんが使えないとなり
フェイドアウトが関の山だろう。

この体験がもとで通訳ではなく通訳案内になろうと思ったのです。
でっち上げるというと言い方が皮肉っぽいですけど、
満足に徹したサービス業って通訳案内ではないかなと。

それにしても イタコさん、ほんとうは何と言っていたのだろう?

新幹線が見えるスポット

2011-04-27 14:24:24 | 鉄道
秋葉原駅近くのマックで二階のカウンター席から新幹線が見えるスポットを偶然発見した。

特等席なのか他の席は空いていても ここは満席。

車両を眺めてみると同じE3形でもロゴ、窓の大きさ、LEDの行先表示の有無など
微妙に異なるのがわかる。

往年の200形も健在。
でももうすぐ引退するとのこと。
鉄道博物館に行けば静態保存状態の200形を見られるが動の状態は今だけである。
走行音にモーター音、車内の雰囲気、においなどなど
ココロに焼きつけなくてはならない、そんな時期なのかもしれない。

思えば、200系には二階建て車両があった。
それから100系のような形状の車両もあった。

そんなことを考えていると
旅行行きたい病が勃発である。



それにしてもどの列車が何形だとどうやってわかるのだろうか?

通訳案内士試験 

2011-04-27 00:56:49 | 通訳案内士


通訳ガイドの試験で語学試験が最難関だと言われていますが
自分にとっては口述試験、これこそ最大にして最も緊張した試験でした。

そう、どんな質問が飛んでくるか全くわからない。
実務を行えば当たり前なことだけど
膨大に覚えるべきことがらがありすぎ、自暴自棄になりそうでした。

街を歩いて見えるもの、説明があるものだったら何でも英語にしてみた。
牛丼屋に入れば、並盛は?、大盛は?、特盛は?さらに紅しょうがは?
medium size of beef rice-bowl, larger size of rice-bowl,
mega size of rice-bowl, thinly sliced red pickled ginger
こんなんもんも分からなかったので、メモ帳に書き出して
調べて、実際に使ってみてアクティブボキャブラリーにしていきました。

辞書訳では通じないものも結構あって困惑。
例えば「おでん」 Japanese hodge-podgeと書いてあったけど
通じない。というか違うものを想像してしまい日本の「おでん」にはならない。
説明的に 
vegetables, fish dumplings and other kinds of food stewed in a thin soy based broth
くらいに言わないと通じない。

さて本試験当日 待合室で待たされることやく30分、ここで自分より博識だろう
受験生にまぎれて自分がいる。ぼろぼろになって手垢のついた参考書や辞書、
エコノミストを読んでいるものもいて ここで背水の陣の精神になりました。

三ヶ月くらい何でも英語で語る訓練を行っていましたが、
訊かれたことは
①地元のお勧めスポットとその理由  ②好きな歴史上の人物と理由  ③花見の説明
④どんなガイドになりたいか ⑤玉露、煎茶、抹茶、ほうじ茶の違い など

③と④かな、まあ自分でも納得のいくことを言えたのは。⑤に至っては
ほうじ茶がカフェインなしで 煎茶はカフェインが入っている…そのくらいしか言えていなかったし。
わからなくとも、即反応する、常に笑顔で。(引きつってはいけません)
受かりたい執念(なんせ3年目でしたので)だったと思います。

真っ赤に暮れる夕焼けの空のもと、意気消沈して帰ったのを覚えています。

郵便受けに国際観光振興会からの合否通知は今でこそシールが貼ってありますが
昔ははがきの裏に大きく「不合格」と書いてあって悔しいよりも恥ずかしい気持ちでした。

受かったとわかったとき、「泣きたいときにもVサイン! 」「ピンチの後にチャンスはくる。」
このうれしい気持ち 絶対にお金では買えない価値のあるものだと思います。




リニアと高速化

2011-04-25 13:12:47 | 日記
東京 大阪間 約一時間で結ぶリニア構想は日本経済を変え、
大都市間ではより格差もなくなり活性化することは相違ない。

その一方、いわゆる地方都市は通過の対象や大都市圏への流動が懸念され空洞化する可能性もある。
世の中はより合理化、より経済的へと流れていて国内旅行者にとってはいささか寒々とした旅情もない単なる移動手段となってしまった。

周りをみてもカーテンなしの車両、ロングシートの車両ばかり。昔の車両には栓抜きがつき、窓も開いたから五感で風やにおいを感じられたものだ。

鉄道利用はビジネスばかりではない。旅行では列車に乗ることも楽しみのひとつ。
寝台や夜行列車 長距離鈍行など需要あると思う。安ければの話だが。

無駄にスペースをとる食堂車をなくしていること、あらゆるものが画一化していることからもわかるように
合理化と利益追求ばかりしている企業が圧倒的である昨今、
アメリカ的経営をお手本としているのかもしれない。

高速化、経済発展がリニアのプラス面とすれば、マイナスの面は何だろう。
環境破壊は建設するからもちろんのこと、リニアが発する電磁波も
長期的には問題があるかもしれない。

このあいだ、こだま号で東京から名古屋へ行った。
のぞみ号なら1時間40分程度だが、こだま号は約3時間。
途中駅のほとんどで後発の列車に抜かれる。2本の列車に抜かれることもある。

でも、この3時間はみそ。何かと有効利用可能である。
文庫本なら一冊読み切れ、PC仕事をするにもちょうどいい。
弁当もゆっくり味わえ、満席ということはまずない。
それに何といっても「旅してる感」がある。

高速で走る新幹線が東京駅から数分単位で出発する。
通過待ちでは5分のあいだに200キロ以上の新幹線が2本やってくる。
閉そくというシステムを採用しているようだが
怖く感じる。「本当に大丈夫なんだろうか?」と。

東京に戻ったとき、車窓から東京タワーが見えた。
でも、ライトアップはしていなかった。
中央線が新宿を少し出ると歌舞伎町のネオンが見えるところを通る。
でも、真っ暗だった。車もあんまり走っていなかった。
経済はまわって(流通して)なんぼの世界なので
暗澹たる気持ちになった。

明かりがないと気分までふさぎがちになるもの。
また旅行行って、楽しんで、支援。
やってみようと思う。