カンナからの風

沖縄県北部東海岸にある小さな1軒のホテルから

旅と旅行

2011-07-09 07:21:38 | リゾートホテル

学生の頃、「旅」と「旅行」とは、どう違うのかなんて考えていた頃があった。「旅」は、その土地に暮らす人々と交わり、その土地の空気や風土を感じるような過ごし方を言うのではないか・・。「旅行」は、観光であったり仕事であったりその土地の文化や遺産を訪ねて歩くことではないか・・。そう考えて「旅」に出てみようと考えてアジアを旅して歩いた事があった。フィリピンでは、以前日本に来た事があるという女性とめぐり合いその家庭に招待を受けて親戚、家族の人たちと夕食を共にしたり、動物園やショッピングセンターを一緒に歩いたことがあった。また、その土地に住む日本人と出会い「旅人」である自分をもてなして頂いた。

決してきれいな服装でもなくTシャツに短パン姿にバッグを背負って世界を歩いた時に、異邦人である私にその土地の人たちはとても親切に接してくれた。見知らぬ日本と言う国から来た若者をまるで遠くの親戚が訪ねて来たかのように接してくれた記憶がある。旅行者の日本人とは全く異質な海外経験であったと思う。インドでもトルコでもオーストラリアでもどの国でも同じように温かく接してくれて自宅に招いてくれた人々との交流は未だに忘れがたい思いでとなっている。その国のその土地に暮らす人々との交流には涙の別れもあった。特に、どこの国に行っても母親のやさしやが身に沁みた。抱き合うように涙を流して別れを惜しんでくれた人々に止まらない涙を流しながらバスに乗った・・バスの中でも、乗りあった人々が話し掛けて来てくれた。「旅」には、その土地の人々との暮らしに感情移入があり、人間として触れ合いが息づいていた。これが、私が、ホテル業を選んだきっかけかもしれない。また、「旅」をしてみたい。あの時のような若さはないけれど・・。異国の文化や生活に触れて歩く旅をしてみたいと思う。



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