心が満ちる山歩き

美しい自然と、山に登れる健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山・街歩き・温泉・クラシック音楽‥‥

南アルプス・塩見岳(3) 三伏峠から塩見小屋へ

2019年10月11日 | 中央アルプス・南アルプス


塩見岳(3,052m) (つづき)


 三伏峠から塩見小屋へと向かいます。まず、15分でハイマツに囲まれた2,615mの三伏山に出ます。
 雲がやや多いものの、目指す塩見岳の堂々とした姿を見ることができました。
 樹林帯の稜線には、幹の曲がったダケカンバも現れます。強風の通り道になっているようです。
 2つ目の小ピーク、本谷山(2,658m)を過ぎると、今度は立ち枯れた木が多く出てくるようになりました。
 本谷山からいったん標高2,500m近くまで下り、最後の塩見小屋への登り返しがきつかったです。


 塩見小屋は、山小屋では珍しく完全予約制になっています。1人分のスペースが確保されるので安心できます。寝床は寝袋でした。
 夕方になると、空の雲が目まぐるしく動き、背後にそびえる塩見岳が赤く染まっています。ずっと遠くの方で雲が湧き上がっています。
 山が朝焼けで赤くなるのがモルゲンロート、夕焼けで赤くなるのがアーベントロートです。”モルゲンロート”は山の本でしばしば見る言葉ですが、”アーベントロート”は出てくる回数がずっと少ない気がします。
 夜になると小屋から夜景が見えます。甲府盆地だと教えてもらいました。
 稜線に建つ塩見小屋は、水の確保が大変な山小屋です。暑いだけでなく、ずっと晴天が続き雨が降っていないとのことでした。
 夕方になると、甲府の街に雷が落ちる様子が見えるそうです。凄まじい光景に違いありません。しかし、その雨雲がなかなか山まで来てくれないと話されていました。
 それでも真夜中に小屋の外に出てみるとさすがに寒く、ダウンジャケットがほしくなるくらいでした。

 「~ もっとも遠くにある星からやってくる光は、もっとも遅く人間に訪れる。 ~」(ニーチェ『善悪の彼岸』(訳:中山元)(光文社))




 (登頂:2018年7月下旬) (つづく)



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