心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

山と風景印  富士山(1)・乗鞍岳・函館山

2020年02月02日 | 風景印いろいろ

富士山(写真:南アルプス、千枚岳から)


「 北斎が富士山頂のどこを描いているのかを検討してみると、中央左下に梯子が見えることから、実際に長い梯子がかかっていた駒ヶ嶽のあたりと推測される。梯子を登ったところに、大日堂や石堂、石室があり、この辺りから南側にある東海道の原宿や吉原宿の方向を見渡すことができた。ここから馬の背という難所を越えれば、富士山でもっとも高い場所、すなわち日本最高峰となる剣ヶ峰にたどりつく。
 さて、このような描写を見ていると、北斎も実際に富士山に登っていたのではないかと想像したくなる。 ~」(『北斎 富嶽三十六景』日野原健司・編(岩波書店))

 岩波文庫の『北斎 富嶽三十六景』はとても面白く、あっという間に読みました。読むたびに北斎の絵を見るヒントが得られます。葛飾北斎の富嶽三十六景という作品のタイトルは知っていても、内容は知らないことばかりでした。「三十六景」でありながら、実際には46点あることすら知りませんでした。(知らなかったという人も多いのではないでしょうか??)

 富嶽三十六景の最後が「諸人登山」です。全46点の中で唯一、富士山の姿が出てこない作品でもあります。なぜなら、山頂のお鉢巡りの様子を描いた絵だからです。山頂から富士山の形が分からないのは当然です。


 富士山頂

 富士山信仰、富士講は江戸時代には広まっていたとのことですが、初めて(2013年に)富士山に登ってみると山頂一帯はとても現代的な空気感がした記憶があります。一番覚えているのは山頂、剣ヶ峰に建つ測候所の建物です。



 吉田口の五合目にある「富士山五合目簡易郵便局」の風景印です。五合目から富士山がこの形で見えることはありません。折角だから、「諸人登山」のような登山の様子か、山中の森の雰囲気を出したデザインの方が似合っていると思いました。(富士山でも、五合目の付近はまだ森があります。)
 押印希望客がひっきりなしに訪れていました。ゴム印はアルファベットの細かいところが摩耗しているようです。土産店の中に入っている標高2,305mの郵便局では貯金もでき、ATMは見当たらなかったものの、窓口でキャッシュカードも使えるとのことでした。
 

 乗鞍岳(3,026m)の畳平(2,702m)にある乗鞍山頂簡易郵便局の風景印。
 富士山五合目より、こちらの方が実際の風景に近い風景印という感じがします。
 畳平から頂上へ至る道の途中に道路の見える場所があります。


 山頂に郵便局のあることはめったにありませんが、探してみると函館山の「臨時郵便局」の風景印がありました。この日は雲が濃くて、有名な夜景はまったく見えませんでした。

 (富士山編(2)へつづく)



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