老化が進むと細胞内の小器官である小胞体が酸化とは逆の還元状態となって機能低下し、細胞の老化がより進行する可能性があることが、京都産業大総合生命科学部の永田和宏教授や森戸大介研究員、欧米の研究機関のグループの研究で分かった。一般的に細胞の酸化は老化の元凶とされるが、小胞体では逆の結果になった。欧州科学誌エンボジャーナルでこのほど発表した。
森戸研究員は「抗酸化作用のある物質が体にいいというのは、少なくとも小胞体には当てはまらない。小胞体を酸化する薬剤が老化防止に効くかもしれない」と話している。
小胞体は、インスリンやコラーゲンなどのタンパク質を細胞外に分泌する過程で働く小器官。酸化状態に保たれていることが機能の発揮に重要となっている。
グループは、老化で細胞内に変性したタンパク質が蓄積される影響を、ヒトや線虫の小胞体で調べた。その結果、小胞体の過酸化水素が減少、酸化とは逆の還元状態になることを確認した。還元化でタンパク質の分泌量が減るとみており、還元化のメカニズムを解明したいとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150810-00000026-kyt-sctch
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