手始めに無理を承知でFM放送の受信を試みたところ、ひどいノイズ交じりだが放送が受信できてびっくり。元にしているのは、wiki.gnuradio.org の「PlutoSDR FMRadio」。
1. まずは、PLUTOの周波数範囲の拡大。次のWebページの「Updating to the AD9364 」が情報元。
https://wiki.analog.com/university/tools/pluto/users/customizing
より具体的には、PLUTOをUSBに刺すとUSB接続のCOMポートが現れるので、ターミナルソフトでそのCOMポートにつなぐと、PLUTOのlinuxにログインできる。そこで、コマンドをちょこちょこと打って搭載されているチップがAD9364だと嘘をつくいうしだい。なお、手元のADALM-PLUTOに搭載されているチップはAD9363とマーキングされていたのを開腹して視認している。
# この手順は、https://www.rtl-sdr.com/plutosdr-quickstart-guide/ に書いてあるのだけど、タイポがあってその通りだとNGなので注意。
2. Jetson nanoのオーディオ出力の変更
Jetson nanoの標準設定では音が出ないが、手操作で変更すれば可能。今回は、HDMIで接続しているディスプレイに内蔵のスピーカーから音を出すことにする。
デスクトップ右上のスピーカーのアイコンからプルダウンメニューを開き、Sound Settings... を選んで設定画面を開く。Outputのタブで、デフォルトで Analog Output Build-in Audio となっているものを、HDMI/DisplayPort Build-in Audio に変える。
3. アンテナ
手抜きで、SMAジャックの芯線に1mほどのビニル線をはんだ付けしたものをRxにつないでアンテナとした
4. Flow graphの入手
https://wiki.gnuradio.org/index.php/PlutoSDR_FMRadio
今回参考にしたのは上記のWikiの記事だが、ターゲットは GNU Radio 3.8。手元の\Jetson nanoにインストールしてあるのは3.7 なのでそのままではNG. だが、記事のflow graphのアップ場所に、 fmradio_pluto.grc という古いバージョンがあって、こちらが利用できた。
https://github.com/patel999jay/ADALM-Pluto-File-Transfer/tree/master/FMReceiverPluto/source
flow graphの変更箇所は2か所。
変更1. ID が fm_station という Para;meter の Value を 100.5e6 から 80000000 へ変更. (FM東京は80.0MHz)
変更2. PlutoSDR の LO Frequency を 100.5e6 から fm_station へ変更.
これだけ。
5. 実行結果
チップの仕様から言えば規格外の周波数のうえいい加減なアンテナ。それなのに、ひどいノイズ交じりとは言え放送が聞こえたのにはちょっとびっくり。でもまあ、PLUATO-SDR と GNU Radioの組み合わせで動作している確認がとれて一安心。