後ろの世界

後ろの世界があって

そこにはもう一人の自分がいる

彼にとっての後ろの世界がこの世界

この世界でどうにもならないことが

彼の世界では簡単にできる

彼の世界ではどうにもならないことが

この世界では簡単にできる

自分で何もかもやろうとすると

彼の動きを制限してしまう

全てを手放すと彼は自由に動き出す

それによってこの世界の問題がたちどころに消えてしまう

後ろの世界は無意識の世界

外と内が逆転した世界

そちらの世界にまで意識の力を及ばせようと

猛烈な修行をしている人たちがいる

しかし待ってほしい

それはあちらの世界の人々のことを考えていない

恐ろしい力によって運命に翻弄される

何一つ自分で選択できないような

過酷な運命に襲われる

そのような目に遭い

或いは近い人がそのような目に遭っているのを目撃して

かのような修行に身を投じたのかもしれないが

そのような運命の嵐を作る力こそ

無意識をコントロールしようとする力なのだ

後ろの世界でのそのような取り組みが

こちらの世界で過酷な制限を生み出し

こちらの世界での取り組みが

後ろの世界を圧迫している

昼と夜を分け合って後ろの人と二人三脚で生きていくことこそ

正しい生き方だと思うのだ