また夜が始まった
悲しみが深い眠りから目を覚まし
憂鬱が生き生きとしはじめ
種々の不安を言葉に置き換え
精神に疑いの波紋を起こす
身体は中心を抱きかかえるようにすくみ
これから起きるであろう衝撃から身を守ろうと構えている
思考はこの苦しみから逃れる術を
過去から見つけ出そうと奔走し
ほんの一瞬の安らぎも許そうとはしない
終わりなど探そうとしない事だ
どう動こうと夜は終わりはしない
ただ時だけが夜の終わりを告げることが出来るのだから
その静けさ 淋しさ 不安 悲しみの美しさを写してくれる夜の光のなかで
隠していたもう一人の自分と邂逅する
せめて夜が明けるまで 共にいよう
朝が来れば その輝きの中にまた消えてしまうのだから