Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

流線型

2006-03-18 | femmes...bijin tachi
ゴダールの映画は、今までにまだ3本しか見ていません。
・『女は女である』(←アンナ・カリーナがかわいいのでDVDを買った)
・『女と男の居る舗道
・『軽蔑
どれも見ごたえがあって・・・というのは周知の通りですが、またとにかく女性たちが魅力的!

最近、『軽蔑』を久しぶりに観て、ブリジット・バルドーの美しいシルエットに、またまたやられたばかりです。
アンナ・カリーナにしても、ゴダールの女性達はお洒落なイラストみたいに、体のライン、特に立ち姿がすらりと流線型で、美しい。

この『軽蔑』('64)ではBBの夫役を演じた、まだ若いミッシェル・ピコリが、『美しき諍い女』('91)では老画家に扮し、エマニュエル・べアールに、
「君ら若い者は、背すじを伸ばすということを知らん」
とぶつぶつお小言するシーンを、ふと思い出しました。
べアールさんの姿勢も、ふつうに堂々としているのだけど、たしかに、ゴダール映画の女性の背中って、それよりもっと、完璧に美しく伸びている。まるで日常っぽくないくらいだけど、もしやあの時代って、それが女性として普通だったのだろうか。
・・・そんな訳ないと思うけど、美しい女には、さらに、知りうる・想像しうる最高の状態を要求するのが、男心なのね。いつの世も。
こんなタイプの男性達の、「女性美の要求水準の高さ」にもまれて、ふらんす女性はあのように魅力的なのだ。長坂道子さんの説に、あらためて賛同。

そして、その伸びた首と背すじを、ゆったり前にかしげてうなだれる様子が、多分監督はお好み。
柳が風にそよぐような、儚げで優美なポーズ。
背中を丸めて首をうなだれても、熊みたいにのっそりした印象になってしまう。
肩を引いたまっすぐの背中の、流線型を描いた上半身のポーズが基本形だと、うつむいたうなじの色気が際立つ。
すんなり伸びた背中を持つと、長く強調された首のどんな表情も、すごく女性らしい魅力でいっぱい。

ウエストと脚の滑らかな締りを強調するスカート、
髪や肌の色と調和する、服のくっきりと鮮やかな色が、そのラインを滑らかに縁取ります。
体のラインがきれいなところへ、シルエットのきれいなお洋服を身につけたら、怖いものなし。
"運命的な美しさbeaute fatale"を求めるこの監督の視線でこうして美女を見ると(つまり作品を観ると)、今日のお洒落へのやる気もするというものです。

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4 コメント

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美しい・・ (マミ)
2006-03-18 12:02:32
こんにちは☆



ゴダールの映画は気になりつつもまだ観たことがないのですが、バルドーはいくつか。どれもコミカルなものですが(笑)。

ただ、彼女の立ち姿の美しさはとても印象的でした。

もともとのスタイルの良さと、バレエを習っていたという理由があるのかもしれませんが、スラリと伸びた長い脚の上に続く、背筋の(変にピンとしていない)美しさが印象的でした。



その“美しさ”を美徳として求めるフランス男。日本男子にもそんな美的感覚を持つヒトが増えたら、もっとイイ女が育つのに(笑)。

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あら!♪ (マミさま(mi))
2006-03-18 12:22:08
じゃあ『軽蔑』がレパートリー(?)に入っても、自然ですね

バルドーの体格は、人間離れしてますよね・・・

あのウエストは、神の恩寵ですわ!



そうそうホントに、女性の美しさは、男性の要求にこたえる形なのが基本ですものね。外見・内面共に刺激しあう日本にしていこうね、男性のみなさま

(うーんグローバル
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Unknown (lysander)
2006-03-19 05:36:27
こんばんは

お久しぶりです。



相変わらず渋い映画を観てますね...

私が好きなゴダール+カリーナの映画は月並みですが『気狂いピエロ』です。

屋外に飛び出したカメラがとても軽やかです。

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そうなんですね! (lysanderさま(mi))
2006-03-19 12:06:42
わーおひさしぶりです!

渋い映画・・・あは。

たまたま観てしまった感じでしたが、面白かったです。ゴダールってはまる人ははまりますよね。。仏語のクラスとってたときそんな人がよくいました。テーマが深いだけに、男性が多いような?

『気狂いピエロ』有名ですね!今度見てみます!
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