Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

『円山応挙から近代京都画壇へ』展

2019-11-22 | art... bijutsu
11月2日から始まっているこの展覧会は、前期を24日に終え、
展示を替えて、11月26日〜12月15日に後期が始まります。
これも、わたしの中では「ぜひ記録しておきたい」、そしてもう一回観たい!展覧会です。


良い展覧会はカタログを買うようにしているのですが、日本画の場合、特にこの展覧会の場合は、ぜんぜん本物の雰囲気が伝わらず、、買うのをやめました。
こちらの本物は、サイズがまず巨大で迫力が違います。
それに、画の前に立つと、中から強風がゴオオオオと吹いてくるような…!圧倒的なオーラに吹きさらされ、絵の前に立つのがやっと、足元がよろけるような、、強烈な気を発しています。
これはまた浴びたい。くせになります。

本展の作品の多くが描かれた時代は、18世紀の京都。(250年ほど前というとまだ新しい、最近、という感じがあります。なにか麻痺してきてますね)
円山応挙が、ルネサンスにおけるダヴィンチのごとく切り開いた、写生画というジャンル。
円山派という画家一団を結成するまでになり、呉春率いる四条派の基にもなりました。
さらに、竹内栖鳳、上村松園、と名の通った画家がその道に続きます。

日本画というと、とりすましたスッキリとただ綺麗な画面、という先入観がわたしには長らくあり、洋画の、とりわけ油絵の躍動感にばかり目がいっていたものでした。が実際、パワーのある作品を目の前にすると、たとえば美人画の人物の抑えに抑えた表情の中にも、強烈な温度を感じます。
もっとも、植物画などは全然抑えてもいません。むしろ生命力のほとばしるような色彩、フォルム。
創造力豊かなデフォルメもちらりとながら鮮やかに。
全体的に、そんなダイナミックさを発見した本展です。

しかし何と言っても、タイトルにある通り、TOPは円山応挙です。
看板となっている、大乗寺の襖絵。
初めて間近で見ましたが、子供たちの表情の無垢な豊かさは、忘れがたいものでした。
わたしは昔からデッサンが好きで、時折根を詰めて一気に描くことがあるのですが、表情を筆で捉えることの難しさをかなり感じているだけに、この、シンプルにして完璧な表現に、しばらく見惚れました。矯めつ眇めつ、いろんな角度から眺めました。


それから、その応挙を描いたお弟子さんの作品がすてきでした。わたしはこういう、ひたむきな気質の人が大好きです。


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