Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

ジョエル・マイロウィッツ展

2008-03-06 | art... bijutsu
今日この一日という時間の中で、どんなことができるだろうか。

と朝、考えるのです。

何を作り出せるだろうか。

という思いと言ってもいい。

その幅をわずかでも増やすために、Art全般にたくさん触れることを、春からのテーマに決めました。


ひとは、瞬間瞬間、いろんなことを頭の中に浮かばせている。
自分なんて能天気ながらも妄想だけぐるぐるしている頭のようで、眠っているときでさえ夢見ながら声立てて笑っていたりするらしい。隣で驚いて起きたパートナーに聞きました
睡眠中であってもこのようにひっきりなしに動いている頭の中、それは音や光を遮断するのが意外と困難なように、止めるのは難しいものかもしれません。

静けさ
のもたらす安らぎと対面して初めて、自分が色と音の洪水の中でもがいていたことを知る。
しかし、完全な無音より、血の流れる音と同調する音色の響きの中をたゆたうときの方が、気持ちの静けさを味わうことができる、ような気がします。

ジョエル・マイロウィッツ、写真展。
ここでは、その静かな世界に、染められる・・・。

会社帰り、表参道【GYRE】に立ち寄ったのです。
地下の素晴らしい食品売場を丹念に見て回り、やっと探していた食材を手に入れ、この厳選された美しい品揃えも立派なアートだわと感動したあと、エスカレーターで上昇すると。
うってかわって、青くシンプルな世界が、緩やかにスクリーンの向こうでゆらめいていました。

透明に奥深く続く青を、身をくねらせるようにして昇る、白い柔らかい泡の粒。
無数に立ち昇り続け、その行く先は、大きな広い宙。
大気にとけてにじみ、広がる。
空気と水、この包容力の前に、きっと誰もが動けなくなる。
この青が放つ穏やかに深い光、魅入られてわたしは動けなくなりました。
豊かにのぼる泡、ゆるやかな青い波がつくる模様はレースのよう。
3つ並んだ画面がわずかに時の流れをずらして順に流れていきます。
うねるような音が流れ、この刺激にわたしの頭はしばらくぶりに立ち止まった気がしました。

ひとつ上のフロアには、大きなパネルで写真展。
太陽の光が水面を飾る。
その煌きには、ガラスの中につくねんと飾られた宝石が到底かなわない、燃える輝きがある。
あのプールに浮かぶあの人はその中に包まれて、やはり穏やかに自分を満たし、つまらない雑念を全部流し出し、静けさに心地良く包まれているのではないかしら。

偉大な生産物に囲まれ、そのメンタリティに浸り、明日の活力がこうして底から生まれてくるような予感が、ほんのりしました。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。