沁みこむ

昨日の、雨を含んだ、寒く冷たい空気が、体の芯に残っているらしく。
そんな日に珍しく一日中外に出ていたわたしは、本日だるさを抱えてぼんやりしています。
感覚が、守りに入ってる。

うまく働かない頭と体が求めるのは、ピアノの音色。
こんな時期に、『アヴェ・マリア』。
けれど、水が砂にさらさら吸い込まれるように、感覚に優しく沁みこんでいく。
優しく、愛でるようなタッチが、いっこいっこの音が、体の中を優しくなぞって、とんとんと指先が触れるような軽やかさを感じさせつつ、心をやわらかくまるめてくれます。
音符の連なりの合間には、弾き手の気持ちがはさまってる。文章の行間に、言葉にならない気持ちが挟み込まれるように。
聴き手の気持ちが、そこに共鳴するとき、音符たちは、しっとり気持ちに吸い込まれていく。