海は美容液

海外への移動は半日から一日がかりでとても疲れますが、
そして帰国となったら余計にしんどさも増してしまうのですが、
帰国後しばらくして日常の風景とまた接し始めると、なにかが違うことに気づき始めます。
体がとっても軽くて、気分がすっきりしていて、見るものすることすべてにワクワクが湧いてくる。
この気分はなんだろう？
そう考えたときに、思いあたる一番大きなものは、「海」です。


ヌメアから向かった離島は、メトル島といいます。リゾートのためだけの島です。
どこまでも続くエメラルド・グリーン、
身体を浸してみると水はちょっと冷たかった。
けれどすぐに気にならなくなる。
どこまでも続く海の広さに肌を洗われていると、頭の中までその水と同化していくようでした。
浅い海底まで潜水したり、魚の群れを見守って水中で息を殺したり、水面に大の字に浮かんで空を眺めたりしました。
お天気は、雲が多かった。低気圧の波がちょうど来て、晴れたり曇ったり雨が降ったりがめまぐるしく繰り返されました。動かないのは、ただ海だけ。・・・

雨が降れば、部屋で海を見下ろしながら本を読む。
エメラルド・グリーンは目に優しくて、頭の中にどんどん潤いを届けてくれます。
雨が上がれば、海に飛び込む。
ゆるゆるとした潮の流れのリズムも安らぎを招いてくれますが、
海水そのものに、まずなにか不思議な力があるようです。
思えば一昨年、宮古島の海で泳ぎまくったとき、かさつきがちだった全身の肌が見違えるようになりました。
薬や化粧品をいくらつけても、いったん起きたトラブルは解決しにくい。
それよりも、一度すべてを水に流して、ただ自然の力に身をゆだねてみる。――それが、肌をニュートラルにするのにいちばん役に立ちました。

海は美容液です。
思考も素直になめらかにしてくれ、
肌にもさらさらとやわらかさをもたらしてくれました。