Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

「いつも晴天のアメデ灯台」

2009-02-19 | Nouvelle Caledonie 2009
全国的に寒さが再来、というニュース。
そうなると、京都の北の端にはやはり雪が。。。
ぴかっと晴れなのに、激しい勢いで降る。
小さな真っ白い粒が宙を埋め、風にさらさらと道路を転がり、または歩く人の頬をぴしぴしと打ちつけ、屋根も土も静かに白く染まっていく。
静かで荘厳な景色が窓の外に広がります。美しい。

肌を刺す透明な冷気に、南太平洋のあのねっとりとした熱い空気の記憶が体から飛んでいってしまいそうですが、記憶を手繰り寄せて!・・・



2月7日、船に乗ってまた別の離島へ。
「いつも晴天のアメデ灯台」、
港へ向かうバスに、そう書いてありました。
その通り、島で過ごした一日は、快適な晴天となりました。





行きの船から現地で、そして帰りの船でもずっと生演奏つき。たいへん達者



アメデ島は、一周して砂浜を歩いても20分ほど。とても小さな島です。
しかし大きな歴史を持っています。
1865年に、ここには灯台が建てられました。計画は1859年。サンゴ礁によって、フランスからニューカレドニアへの帆船の座礁が相次いだためです。
56メートルの高さ、投光範囲は50キロメートル以上。
2万キロを経てここにやってくるフランス本国の勢いも凄いし、ここに灯台を建てよう、と当時にして思った人間もすごい。とわれわれは感想を持ちました。



のぼると、相当な高さです。美しい海が一望です。



灯台設置の記録たち。





人間の発想力・・・それにはときとして度肝を抜くようなものがあります。
多くの人間は大きな変化に慣れていないから、独創的なアイデアというものは最初敬遠されがちですし、誰にもの頭に浮かんでくるものでもありません。
しかし、その僅かな人たちの仕事がこうして後世に残る。
当時は度肝を抜いたであろう発想も、時が経ち、なおこうして完璧なフォルムを保たれれば、もはや普遍となる。

灯台から果てしない遠く、そして未来を見た先人と、今同じ景色を見ている。
創造された概念は、時空を超えるのだ
ということを肌に感じた体験でした。
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