アンジェリークの医療用ウィッグ ブログ

銀座 市川にて全国から製作依頼がある医療用ウィッグ 
ANGELIQUEです 

言葉

2010-04-26 17:06:23 | ショートスタイル
昨日、お問い合わせをいただいたK様

千葉県の一番はずれからいらしてくれました


病院のパンフレットがきっかけで、お店にいらしてくれる方が多いのですが

K様は内蔵系のがんらしいので、乳腺外科のようにパンフレットは置いてなく

自分のブログがが検索で引っ掛かってお問い合わせをくれた


ただ乳がんとは抗がん剤が違うのか、抜ける人は何割かみたいで

制作するかはお話してからとのことだった


いつものように、ひととおりお話をした



K様  「今日作っちゃいます」

きの  「 えっ、今現在少し抜けてきているみたいですけど、乳がんみたいに
     ほぼ全員が抜けるわけではないみたいだから、次の抗がん剤
     でだいぶ抜けるようなら、様子みてから作られたらどうでしょう」

K様  「いえ、もう今日作るって決めてきたの」



なぜかK様の強い意志を感じた

ウイックのカットは通常のカットの2倍から3倍かかる

その間いろんな話をした



きの   「うちは乳がんの患者さまが多く、内臓系のがんの方は少ないんですけど

     「 髪の毛があまり抜けないということは、弱い抗がん剤なんですかね」

K様   「ちがうの、もう手術は1年前に終わってるの、転移しちゃったのよ」
     
     「確率は低いって言われてたのに、宝くじは当たらないのになんでかしらね」



言葉がでない、言葉が見つからない、長い沈黙が続いた


K様がどんな思いであったかは、わからないし、わかってはいけない


やっぱり自分にできることはいいウイッグを作ることだけだ



もともと毛量が少ないk様 ウイックは倍ぐらいの毛量がある感じがした

髪の量を減らすだけでは、とても追いつかない、バランスを変えるカットをした




k様  「最初今までの自分の髪とあまりに違うのでおもわず鬼太郎みたいって思いました」

   「でもずいぶんカットで変わるもんですね」


きの 「違和感のあるウイックをいかになじませるか、すごくいい感じになじみました」


K様  「若返っちゃった」


お顔がパッと明るくなった



エピテーゼは、切ってないウイックをまずかぶっていただくので、みんな上が重く
鬼太郎みたいに見えるらしい

k様も同じだった、でも初めて会った自分を信用してくれて

今日作るって決めてきていただいて

絶対変なものは作れないという思いだった


「ありがとうそのまま帰るわ」とウィックをつけてお帰りになった

よかった









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