天からのの声

今日　ある方からお手紙が届いた


Tさま昨年ウイックを作られた　何回か調整カットをしいい形に仕上がり喜んでいただけた１１月の事である

それから３カ月もして突然のお手紙

「どうしたんだろう」開ける前かなり心配しました

開けてみるとたくさんの素敵な言葉がちりばめられていました


諦めていた年賀状にウイックをかぶって家族写真をとり載せる事ができたこと

やっと治療が一段落し髪が生えてきた事

お礼の手紙でした


ウイックを作る仕事について３年目に入ろうとしています

いままで　もちろんがんの方と接した事もなく　ウイックもわけがわからず

無我夢中で作ってきました

もちろんその時みなさん喜んで帰られます

でも人間の髪ではありません、人それぞれ顔の形もサイズも全く違います

先生もいません　自分で１つ１つ覚えていくしかないのです

もちろん自信はあります　がいつも不安はあるものなのです


そのうち感謝の言葉もいただくようになり

ウイック作りを本格的に仕事にできたらいいなと考えるようになります

昨年は休みもほとんどはパンフレットを持って病院を回りました

ただ大手かつらメーカーのように力があるわけでもなく

まだまだパンフレットすら置いてもらえない病院がたくさんあるのです

また違う大手メーカーはかつら産業を独占しようとあらゆる手を使って

病院と結びつこうとしています

都内でも一番有名な病院でも、パンフレット設置をお願い続けました

師長さんにも何度も手紙を書きました　

「ホントに他社さんとは違うんです」

ただ担当の方は「みなさんそうおっしゃいます」と一言

次の言葉が出てきませんでした

まだまだウイックだけの専門店として勝負できるほど認知はされていないのです


ただ今日いただいた手紙は３年間のモヤモヤした気持ちを

全て消してくれました


たくさんの感謝の言葉の後にこんな素敵な言葉が書かれていました



「これからも　髪が抜けるからと・・・・
　
　と治療をためらっている　女性の救いとなって下さい」


自然に目頭が熱くなりました

自分が人を救える？　人を救っている？

ずっと患者さまのお役にたてればとやってきました


「おまえ　もっと　女性を救いなさい」


今日いただいた言葉は天からの声に聞こえました

やるしかないです　

もしかして自分を必要としている人がまだまだいる

そしてこれからも

静岡から

静岡からいらしてくれるNさま　お友達とご来店しました

抗がん剤治療がスタートしました

会社にわわからないようにとのことで製作依頼があり　いよいよ　抜け毛が激しくなってきたそうです

Nさまは、普段サラサラのロングヘアー

もっとサラサラにしたいと言う事でストレートパーマをすることになりました

大事なウイックなので、優しさ重視の化粧品登録の製品を使います

やさしいカールが特徴のヘアエピテーゼなのですが

少し手を加えれば　しっとりとしたストレートヘアにもなります



Nさまの毛質にもかなり近ずきました


きの　　「脱毛もかなり激しそうですね　自髪どうしましょうか　ショートにします?」

Nさま　 「そうね　短く・・モヒカンにして」

きの　　「えっ・・・・・」

Nさま　 「うん　一度やってみたかったんだ」

きの　　「・・・・・わ、わかりました」

とモヒカンになった写真を取るお友達、ピースサインで答えるNさま

最後は全部短くしました



人それぞれだなーと改めてかんじました

再現美容師になってたくさんお方を　バリカンででカットして来ました

涙を流したり

自分でハサミを入れて踏ん切りをつけたり

終わるまで鏡を見なかった方もいました


病気への取り組み方　人それぞれ　

テンション高いNさま　逆に病気に立ち向かう強い気持ちを感じてしまいました

まだまだ　いろんな事がありそうです

ボブヘアー

今回　世田谷からいらしてくれたHさま

お仕事のストレスで脱毛してしまったそうです

自分たち美容師も時間が長く大変な仕事だと思っていましたが世の中にはもっとすごい方がおります

Hさまはまだ大手S社でウイックを作ったばかり

ただカットが気に入らず　何とかしてくれるとこはないかと探していらしてくれました

実は最近　そのようなご要望がたくさんあり　たくさんの方が修正カットにやってきます


大手メーカーの考え

ある程度出来上がったウイックがあり、ご要望を聞いても　頭にかぶせないでカットするので

似合わないケースが多いのです　自分たちの考えではウイックを頭にかぶせないでカットするのは信じられない事なのですが　

何十年たっても平気で行われています

多分、ほんとうにロングのウイックを１から似う合うようにカットしていく「再現美容」スタイルはわたしたちだけだと思います


今回のHさまは、超有名ブランドにお勤めする　若手のグラフィックデザイナー

デザイナーはだれもが知っている有名人

その方と組んで仕事しているそうですが厳しさは半端ではないそうです

そんな方と普段仕事しているHさま　もちろん　ちゃんとしたものを見分けれる方です

大手メーカの修正カットをうちでして　２～3日ご　ぜひウイックをうちで作りたいとの依頼がありました

何かかを感じてくれたのだと思います

とにかく皆様いろんな状況がありますが　何故か気合が入るウイック製作依頼ばかりが入ってきます

「どんなウイックでもいいや」と言う方はうちのお店を多分選ばないのだと思います


今回ボブは新入荷したエピテーゼ　ボウ用に作られているのですごく毛量があります　ただ毛質は最高です

それでもただウイックの特性上　すそを膨らますのは至難の業なのです

どうしてもハチが張ってしまうのです

目の錯覚を利用してバランス調整するのと

どんなウイックでもフェイスラインはその人に合うと言う事は、ほとんどありません

生え際が合っていないのでなじまないのです

それを合わせるには特殊なカットをします

美容師だからだれでもできるカットではありません

多分知らない美容師さんが見たら『それ大丈夫」と思うはずです

でもお顔を穴を開くほど見つめたら見えてきます

高いご要望があればある程見えてくるものなのです

「何かもっともっと進化して喜んでもらえるウイック作りたいものです」





ボブは完成しました

Hさま　　「ありがとうございます、ここまで来た甲斐がありました
　　　　　　3月からこれで仕事復帰できます」

うれしかった　きっと何かを感じていただけたと思います




　

嬉しいバレンタイン

美容師という職業は基本的には女性相手の職業なので

バレンタインはたくさんのチョコレートをいただく

一番多いのは、イケメンのディレクターあたりに渡すのに　ついでに

「オーナーにも　はい　バレンタイン」といただくケースが多い

感謝して　もちろんありがたくいただく



今日3回目のご来店Iさま

昨年のブログのコメントで「がんにはなったけど　きのさんに出会えた事に感謝」と

すばらしいコメントをいただいたIさま

「年明け手術が終わったら来るね」とちゃんといらしてくれました


患者さまとの出合い

ほとんどの方が遠くからやってくる

もちろん普通であれば出会うはずない方である


ウイックは抗がん剤治療して脱毛すれば　必要だし

なぜ遠くまでわざわざいらしてくれるかと言えば

パンフレットや　ネットを見てもしかしたら、ここは他メーカーとは

違う　何かがあるかもしれないと女性の感性でいらしてくれる

「ビビっときた」

うちでウイックを作らせてもらった方はほとんどの方がそうおっしゃいます

そんな患者さまの思いをひしひしと感じ

自分もとにかく全力でウイック製作にあたります

その姿にもちろん患者さまも感じていただけるようで

少し深いところでお付き合いが出来るようです

いい関係でウイック製作をさせていただき

更にメンテナンスに定期的に遠くからいらしていただけるかたたくさんいらっしゃいます


Iさまは調整カットをしコーテイングをして毛先を保護します

かなりつるつるになります

アッと言う間の一時間が過ぎる　




きの　　「次は自髪デビュー前かもしれませんね」

　　　　　
Iさま　 「きのさん　今日も素敵にしてくれたありがとう
　　　　　必ずまた来ます　一日遅れちゃったけど　はいバレンタイン」

純粋にうれしかった

素敵なバレンタインになった

静岡県 熱海市からいらしてくれました

先日お問い合わせがありぜひそちらのウイッグを見せて頂きたいとの事


よくよく聞くと熱海市からいらっしゃるとのこと

きの　「熱海って　熱海ですよね、じゃ新幹線とかですか」

Sさま　「ええ新幹線でいきます」

昨年も静岡県からいらっしゃった方がいましたが

今年も遠方からいらっしゃる方が増えそうです


「熱海」





10年ほど前、その時釣りにはまっていました

毎月1回欠かさず　熱海の先の「網代」と言う場所に2年ほど通った思い出があります

温暖な気候で晴れが多くいつか本気で住みたいと意気込んでた事もあります

いつの間にか朝起きれなくなり意気ごみは薄れてしまいした

最後に感じました「やっぱ熱海遠いわ」


そんな場所からいらしていただくのですからもちろん気合が入ります


今回のSさまのケースは少し変わっていました

ロングヘアのSさま　ほとんどワンレングスで段が入っていません

ロンヘアのウイッグをご用意しました

ロングのウイッグは適度に段が入っています

逆にウィッグに合わせてＳさまに段を入れなるべく同じスタイルを作ります

これでいつ脱毛しても大丈夫なように

また誰にも気付かれない準備が出来ました



脱毛が始まってきたら完成したウイッグをかぶります

お仕事している方は　職場にはわからないようにという

ご要望が最近多くなっております


これが美容室と併設されているとどんな状況でも対応可能なのです

そして治療前のカットはウイックをかぶる準備と言う事で無料でさせていただいています

ここのところいろんなお問い合わせも増えております

ご相談もお受けいたします

千葉県八千代市からいらしてくれました

先日医療用かつらのお問い合わせがあり見学にいらしてくれるとの事

指定時間にいらしたのは若者3人　ちょっと　やんちゃな方に見えます

とても病気している感じには見えません

Sさま　25歳前でしょうか？お子さん2歳がいると言います

お姉さまと友達と一緒にいらしてくれました

これから抗がん剤が始まると言います

このSさまとても人に愛される方

妹キャラと言うか　愛されキャラと言うか

今日も初めての事がありました

Sさまはロングヘアー、ウイックを作るのにショートヘアにすることになりました

それを聞きつけたお友達も私も切るとロングヘアをバッサリ、ショートに

更にお友達からは自作の応援歌のCDをプレゼントされたり

なんかSさまの人柄と言うか、皆が心配して　守ってあげたいオーラをビンビン感じます


やっぱり「がん」って言うと静かに陰ながら応援みたいのが多かったのですが


今回のSさまへの応援もみたいのもあるんだなとびっくりしました


脱毛に備えショートヘアにばっさり

自分の子供でもおかしくないぐらいのSさま

病気って何を教えているんだろう

人の優しさ　だったり　感謝だったり

でも20代前半　確かに年齢は関係ないかもしれないけど

でも？？？？

腑に落ちない

つけ毛のカット

昨年いらしてくれたウイックを制作したSさま

調整カットとつけ毛のカットにいらしてくれました


Sさま　　　「ねえねえ聞いてよ　ものすごい　面白い事あったんだ」

きの　　　 「どうしたんですか、そんなに面白い事ですか」

Sさま　　　「服　買う時　原宿まで行くのね　フォーエバー２１で今日はいい買い物できたと
　　　　　　ラフォーレあたりを歩いていたら、可愛い女性に声をかけられたんだ
　　　　　　どうも美容師さんらしく　カットモデルお願いできませんかって言うの」

きの　　　 「ホントですか」

Sさま　　　「でも抗がん剤で抜けて、これかつらなんですよっていうのもあれだから
　　　　　　決まったところあるからみたいに断ったんですよ、でも
　　　　　　それだけ自然だっていう事ですよね」

きの　　　 「喜んでいいですよね　意外と美容師さんでもわからないもんです」


Sさまは乳がんだが抗がん剤前は外から見てもわかるぐらいでっぱっていたらしい

ただ２種類めの抗がん剤が劇的にきいて手術をしなくても良くなったらしい

そう言う事もあることを知りビックリ

今は顔色も良く元気いっぱい


外に出る機会も多く　今まで使わなかった帽子に付けるつけ毛をカットした

最近つけ毛はないのとお願いされるケースも多く

現在お店でも取り扱いを始めた

Sさまにも合わせると、こっちがいいと来週もう一度いらっしゃる事になった

初めてのご提案だったが喜んでいただけるなら

もう少しご提案していこう