三度目のカット

先日うちのお店で医療用かつらを作ってくれたK様

前回、自然さが出ないということ

私とK様で話し合いながらやっとある程度の形が出来上がった

更にK様には、アイロンの使い方を御指導し

いい形になり、K様も自分も納得することができた




　　「よかった」



それから３週間がたち

予約が入った

　　　「少し、前髪とかの、微調整かな」

　いつもの笑顔でK様はいらっしゃった


　　　「お元気でしたか？」


K様　 「いや実は抜けちゃったんです」


　　　「まだ誰にも見せてないんですよ　主人にも子供にも」


　ほとんどが脱毛していた。正直言葉を失った

　今年はいろんな患者様、脱毛症の方を担当させていただき

　最初から脱毛されている方が多くそれが普通になりつつあった


　ただKさまの場合通常の状態での自毛カット、をして

　一回目の抗がん剤では少しも脱毛していなかった

　そして今回である。


　「私、これがなかったら生きていけない　ありがとう」


　　目頭が熱くなった


　　必要なんだ


　「自分ができることなら何でもします」心でつぶやいた

　　
　脱毛してサイズが変わったのでウイッグの調整カットをした

　ご主人や、お子様にも、見せたくなくてで、でもそんな自分を見てもらって

　ほっとしたという。


　ウイックを作るようになり、いろんな場面に出会う

　人の思いふれ、今まで感じなかったことをたくさん感じるようになった

　
　ウイックをつくり救われているのは間違いなく自分自身だと思う


　「ハッピーサンクス」ありがとうございます