次に麻也が目をさますと、点滴を新しいものに変えられたらしく、
そして自分の足元に突っ伏している真樹は自分の入院着の袖を握ってくれたまま眠っていた。
(真樹、ごめん…)
思えば自分たちは3日前まではツアーで回っていたのだ。真樹の疲れも半端ではないだろうに…
…その時麻也は気づいた。この病室はいつもの病院ではないか
見渡せば見慣れた立派なソファーがある。
麻也は右手で真樹を起こし、
「真樹、俺大丈夫だから、せめてソファーで寝て」
顔をあげた真樹はびっくりした様子で、
「いやいいよ大丈夫起きてるからごめんね寝ちゃって」
「いやこっちこそごめん。もう変なことはしないから」
その時ノックの音がした。
ドアを開けて入ってきたのは恭一だった
「麻也…」
「恭一…」
二人とも言葉もなくただ見つめ合うしかなかった。