アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

第四章 アプリコットプリンセス 楽しいダンス

2014-10-19 09:29:45 | 漫画


アンドレアとゴーガンは自警団の結成を呼びかけて、
町や村から若者を集めた。

アンドレア
「今、この国は破滅の道を進んでおる!」
「早く手を打たなければ大変なことになるのだ!」
「俺と、ゴーガンは城兵に逮捕されるところであったのだ」
「我々のような善良な市民を逮捕して、山賊と手を結び
 国を自分たちのおもちゃにしておるのだ!」

町民
「誰が山賊と手を結んでいるのですか?」

ゴーガン
「チューリップ王はアプリコット可愛さに理性を
 失っているのだよ」
「国の惨状を放置してアプリコットに大量の宝石を
 買い与えたのだ!」
『そして、我々が食べるのもが無いと言えば、
 「パンが食べれなければケーキを食べればよろしいでしょ」
 などと薄情なことを言い、
 実際に日持ちがしないケーキを大量に配ったのである』

村人
「そうさなぁ 最初は感謝感激で喜んだが、
 あげーな大きなケーキゆーもんをもろーても
 日持ちが悪りーけー腐っちもーたわー
 腹痛起こしたもんもおったけーのー」

アンドレア
「チューリップ王は俺やゴーガンを逮捕して、
 ドドンゴとか言う山賊の手下は無罪放免にすると言っておるそうだ」

町民
「山賊が町にはびこったら恐ろしいことだ!」

村人
「しかし、何で善良な市民を逮捕するんかのーぉ」

ゴーガン
「お前たちも気をつける付けることだな
 いつ城兵がきて逮捕されるか分からんのだからな!」

村人
「そうか!
 チューリップ王がアプリコットに大量の宝石を
 買い与えたという噂は本当なんじゃ!
 だから、都合が悪いことがばれないように
 アンドレアさんやゴーガンさんを逮捕したいんじゃなぁ・・・」



アンドレアの話を聞いたアンドレア婦人は
自分の旦那が逮捕されることを心配して
村人に相談することにした。

アンドレア婦人
「家の人は悪い人なんかではありませんよ!」
「何で逮捕されるのか訳が分からない!」

村人
「アンドレアさんは山賊が村に出没したときに
視察にきたよ」

村人
「そうだなぁ あん時はゴーガンも一緒だった」

アンドレア婦人
「そうなのよ、ゴーガンさんも逮捕されるかも
しれないのよ」

村人
「でも、なんの理由も無く逮捕するじゃろーか?」

村人
「なんでも、チューリップ王は山賊のドドンゴを
無罪放免にしたそうだ」

アンドレア婦人
「そうなのよ、チューリップ王は山賊をかばっている
のかしら」

アンドレア婦人
「チューリップ王は国の現状を見ないふり
していると思うわ」

村人
「おら達は飢え死にしそうだ
何か食い物がねーかのー」

アンドレア婦人
「それでしたらネローダの倉庫に食料備蓄が
ありますよ」

村人
「ネローダは食料を独り占めしとるのかぁ
怪しからん奴じゃのぉ」

アンドレア婦人
「ネローダはチューリップ王から特別に
良い待遇を受けてるというわ」

村人
「詳しく教えろや」

アンドレア婦人
「なんでも、
ネローダに大量の宝石が贈られたそうなのよ
私のアンドレアはその宝石を飢餓救済に
使おうとして城兵に咎められたと
言っています」

村人
「おら達の年貢で宝石を買って
ネローダという小僧にやったんじゃな!」

村人
「ゆるせん!」

アンドレア婦人
「チューリップ王は国の悲惨な状況を
無視して海外に旅行に行っているそうよ」

村人
「どうすりゃぁえぇーんじゃ!」

アンドレア婦人
「私の旦那とゴーガンさんは自警団を
徴収して皆さんを助けようと言っています」

村人
「そうだ!
おら達は自警団に入って戦おう!」

村人
「チューリップ王をやっつけてやる!」



城門の立て看板には教育係りの募集が掲げられていた。
城下町の町民が山賊と一緒に生活して
ドドンゴをはじめとする山賊達を
町の者の協力で更生させる方針が
示されていた。

城兵
「チューリップ王は情け深いお方です
たとえ山賊といえども捕らえて
牢獄することはないのである」

町民
「山賊は牢屋に入れておいた方が
いいと思うなぁ」

城兵
「山賊たちの多くは愛情が不足している。
町の者たちと共同生活をすることで
まっとうな人間に生まれ変わることに
なると期待しているのです」

町民
「とんでもねぇーこっちゃーのー」

町民
「誰が山賊の面倒をみるんだ!
俺はやだよ」

城兵
「すでに町の代表者には依頼している。
その他にも、
できるだけ多くの者の協力を得て
山賊を更生させていくのです」

城兵は立て看板を設置して
町の者に協力要請した後
城に帰っていった。

町民
「チューリップ王は何を考えとるのかなぁ?」

町民
「善良な町民はお腹をすかせて耐えているのに
山賊ごときに振り回されて
自らは隣の国に旅行している。
チューリップ王は町民よりも山賊を必要と
しているようだ!」

町民
「山賊と一緒に生活するのは危険だよ」

町民
「ドドンゴが町の住人になるなんて
恐ろしいことだ!」




ネローダが母親を連れて隣の国から帰ってくると
アンドレアとゴーガンが待ち受けていた。

アンドレア
「いったい如何なっとるんじゃ」

ネローダ
「・・・・・・」

ゴーガン
「ネローダさん
あんたが居らん間に大変なことになっとるんだ!」

ネローダの母は二人の威嚇に驚いて尋ねた。
「ネローダが何か悪いことでもしたのですか」

アンドレア
「・・・・いいや・・・何でもない」

アンドレアは引きつりながら怒りを抑えていた。
「とにかく皆に謝罪して、お礼をしなくてはならないのだ
常識だろーが」

ネローダの母は認知症ですが息子を攻撃する態度に
我慢できなくなった。
「帰ろーここは嫌だよ」

ネローダ
「お母さん! ちょと待って」

ゴーガン
「ネローダさん 勝手に処分したのは申し訳ないが
あんたの倉庫に隠してあった食料は使わせて貰ったよ」

アンドレア
「皆に迷惑をかけたのだから当たり前じゃ!」

ネローダ
「食料を全て持ち出したのですか?」

ゴーガン
「お前の分は自警団が管理しとるから
自警団の指示に従えばよいのだよ」

アンドレア
「あんたは何も知らんようだが
町は大変迷惑をしとるんじゃ!」

ゴーガン
「なんでも、山賊を更正させるために、彼らに町の暮らしを経験させる
そうだ」

ネローダ
「・・・・・」

アンドレア
「おまえは王から大量の宝を貰って、いい思いを
したのだ!」

アンドレア
「そして、その宝が原因で山賊をおびき寄せたのだ!」

ゴーガン
「ネローダくんには負担が大きいだろうけど
山賊のドドンゴはネローダくんが面倒を見る
ことに決定したのだよ」


ネローダ
「ちょと待ってください!
私には母親を見守る大切な役目がかります
母親を見守りながらドドンゴという山賊の
面倒までみることはできません!」

アンドレア
「だったらこの町から出て行け!」

ネローダ
「母親は見守りが欠かせないのです」

ゴーガン
「お母さんは私とアンドレアで監視するから
安心しなさい」

ネローダ
「いいえ、私が見守りたいのです」

アンドレア
「これは町の皆で決めた決定事項であるから
従う必要があるのだ」

ゴーガンとアンドレアはドドンゴの受け入れ先を
ネローダの家にすることを決定していた。

アンドレアはネローダの母親にもちょっかいを出して
訊ねた
「おいおい、私の名前は何ていうのかな?忘れちゃたのかな?」

ネローダの母親
「そんなの知ってるに決まってるでしょうが!
自惚れるんじゃないよ」

咄嗟に、ネローダの母親は冗談で返した。

しかし、アンドレアは怒りが収まらなかった。
俺の何処が自惚れなのだ!
アンドレアはボケ老人に侮辱されたことに
自尊心が傷付いていた。



アンドレアとゴーガンが帰った後から、ズンダ婆さんが
大量のアンズを持ってやって来た。

ズンダ婆さん
「アンドレアとゴーガンが来とったのー
奴らは偉そうにするから嫌いじゃのー」

ネローダ
「お母さんは隣の国で見つかりました!」

ズンダ婆さん
「息子に心配をかけてはおえんのー
しかしまー よく見つかったもんじゃのー」

ネローダ
「お母さんが帰ってきたからお祝いを
しようと思っています」

ズンダ婆さん
「わしゃー なんも用意しとらんでぇー」

ネローダ
「ズンダ婆さんはお客さんですから
なにも用意する必要はないですよ」

ズンダ婆さん
「ところで、ドドンゴのことじゃが
おめーが面倒をみるのか?」

ネローダ
「ぼくは隣の国に行っていたので
詳しいことが分からないのです」

ズンダ婆さん
「山賊は悪りーことばかししとるが
悪りーことと良いことは町の者が決めとーじゃろ」

ネローダ
「そうなんですか?」

ズンダ婆さん
「山賊の掟は厳しーもんじゃて
町の者や村の者は生温い世界で
好き勝手に生活しとーが
山賊は違うのじゃ 」

「山賊を束ねる族長は
このならず者達を厳しく
取り仕切っておるのじゃ 」

「山賊は生まれた時から
この厳しー世界で命をすり減らして
必死で生きておる」

「おらーよー知っとーで」

ネローダ
「・・・・・・・」

ズンダ婆さん
「ドドンゴのことは心配せんでもえー
お前さんに危害を与えることは絶対にねぇー
おらーが言い聞かせてやるけぇーのー」

「まー恐ろしーのは
町の者や村の者達じゃのー
奴らは善人ぶって悪さーしゃがるけー
そして、自分達に被害が及ぶとなると
逃げ回るんじゃ」

「情けねぇーのぉー」



チューリップ王はエゾンベラ王の招きを受けて
隣の国を訪問していた。

エゾンベラ王
「アプリコット姫のことだが
良い返事をもらえないだろうか・・・」

チューリップ王
「困りました・・・」

エゾンベラ王
「どういうことだ!」

チューリップ王
「アプリコットはまだまだ
子供ですから・・・」

エゾンベラ王
「貢物を貰っておいて
いまさら断ることはできんのでは
ないか?」

チューリップ王
「アプリコットが自らの意思で
判断できる時を待ちたいのです」

エゾンベラ王
「王子はアプリコットをお気に入りで
いつもアプリコットのことを気にしておる
いつまでも待てぬぞ!」

チューリップ王
「まず、我が国の惨状を解決しなければ
国民が納得しないでしょう
国民の幸せがなければ
祝福も得られないのです」

エゾンベラ王
「何を仰るかと思えば・・・
国民は王のためにあるのだ
王家の繁栄と強大な力は
国を安定させる。
如いては国民の恐怖をあおることにより
強い服従心が育つのだよ」

チューリップ王
「わが国は旱魃による被害で
作物が育たぬため食料が
枯渇しています。
城や町に保管されている
食料は使い果たしてしまった」

エゾンベラ王
「なにも心配することはない
わが国は強大で豊かである
チューリップ国の面倒を
まとめて見てあげようではないか!」

チューリップ王はエゾンベラ王に
面倒を見てほしくなかったが
無理に断ることも出来ずに困っていた。

エゾンベラ王
「わが国が強大で豊かなのは
王が絶対的な権力を
持っているからなのだ!
そなたの国も絶対君主制をとって
弾圧による強権政治を目指すべきでは
ないのかな」

「いちいち国民の幸せの面倒を
見る必要は無いのだよ」

「チューリップ国が弱小国なのは
政治が悪いからなのだよ」

「わが国を見習って国民を服従させ
逆らう者は厳しく処罰するのだ
甘い顔をしていると国民になめられる
なめられれば誰も命令に従わなくなる
のだ」

「わが国は非情な憲兵隊が
国民を常に厳しく監視しておる
国民は私を恐れて絶対服従するのだ」

「国民に甘い顔をしていると
飼い犬に噛み殺されることになりますぞ!」




ネローダの家にドドンゴがやって来て
一緒に暮らすことになった。

ネローダ
「ドドンゴさんこれから貴方は
私達の家族になりました
よろしくお願いします」

ドドンゴ
「・・・・・・」

ネローダ
「まず、歓迎の食卓を用意したいのですが
食料は自警団に要請しなければ
支給されないのでそれからです」

ネローダの母
「アンドレアは家の食料を
勝手に持って行って
返してくれない
ネローダがお腹を空かしているのに
不憫でなぁ
わたしは食べなくても
ネローダにはたくさん食べて
大きくなってもらいたい」

ドドンゴ
「アンドレアとゴーガンは裏切り者だガァ」

ネローダ
「裏切り者?」

ドドンゴ
「アンドレアとゴーガンは山賊の
掟に背いたから族長が許さない
おらーも許さないガァ」

ネローダ
「掟?」

ドドンゴ
「族長の命令は絶対なのだガァ
おらーが族長はこれからは
おめーたちだガァ」

ネローダ
「・・・・・・」

ドドンゴはネローダと母親を族長として
絶対服従を申し入れた。

ネローダ
「ドドンゴさんは家族の一員ですから
仲良く楽しく協力し合って
平等に生活していけばよいと思いますよ」

ドドンゴ
「平等 何ですか?」

ドドンゴは厳しい上下関係の
服従が家族の条件だと思っていたので
ネローダと母親に服従することが
家族の一員になるために必要なのだと
考えていた。

ネローダ
「私のお母さんは物忘れの病気ですが
優しいお母さんなんです」
「これからはドドンゴさんと私の
お母さんです」

ドドンゴ
「お母さん・・・・・」

ネローダの母
「・・・・・ネローダ
このお爺さんは・・・何・・
大きな顔と声が怖い・・」

ネローダ
「お母さん・・怖がらないで・・」

ネローダの母
「嫌だ・・怖い!」

ネローダ
「ドドンゴさん気を悪くしないでください
お母さんは病気のために恐れが大きくなって
いるのです」

ドドンゴ
「お母さん・・・
ごめんなさい・・・
ごめんなさい・・・・」

ネローダの母
「・・・そんな
謝らなくても・・・
ドドンゴちゃん
なんて大きなお顔と声なの
大きな目とお口
噛み付かれそうで怖い」

ドドンゴ
「大きな目とお口が
お母さん
怖いのかぁ?」

ネローダの母
「大丈夫よ!
嚙み付いてきたら
足で挟んで
動けなくするから」

ドドンゴ
「お母さん・・・
ドドンゴのこと
怖くない
よかった・・・」

ドドンゴは生まれて初めて
お母さんと呼べる人に
巡り合えた。

ドドンゴのなかの失われた過去が
よみがえり
ドドンゴは子供のように
甘えていた。




ドドンゴが町に来たことにより
居心地が悪くなったアンドレアとゴーガンは
言い訳をするために城に出向いた。

城兵
「アンドレアとゴーガン
さあ、こちらへ来なさい」

城兵
「お前達が何をしようとしているのか分からないが、
肝心な時には逃げ出して
都合が悪くなれば
言い訳を考えているように思える」

ゴーガン
「・・・・・・」
アンドレア
「逃げた訳ではないんだ・・」

城兵
「逃げた訳ではないのだな!」

ゴーガン
「逃げた訳ではない!」

城兵
「言い訳を聞こう!
何か申すことがあるのか!」

アンドレア
「・・・・・」

ゴーガン
「ドドンゴは俺達を仲間だと
勘違いしているのだよ
ドドンゴと一緒に裁きを受けると
俺達も同罪になってしまうのだ」

城兵
「そうか!
では、宝のありかを教えたのは誰だ!」

ゴーガン
「・・・・・」

城兵
「アンドレアとゴーガン!
そなた達がドドンゴを
ネローダの家に導き
宝を奪うようにそそのかしたのであろう!」

「その時、偶然私が見回りをしていたために
寝返りドドンゴを裏切ったのだな!」

アンドレア
「いいえ、そんなことはありません」

ゴーガン
「城兵さん、貴方は
ドドンゴの言う事と
我々善良な者達の言う事
どちらを信用なさるのですか?」

城兵
「事実関係を確認しているのだ!

どちらを信用するかだと!

ふざけた事を言うな!」


アンドレア
「しかし、城兵さん・・・
ドドンゴは悪ですよ
悪は嘘もつくし
人を罠にもかける
人を傷つけ
物を奪い
人々から平和な暮らしを
奪い取るのですよ・・・」

城兵
「お前達はチューリップ王の
裁きを受けなければならない」

ゴーガン
「心外な・・・」

アンドレア
「俺達は、ドドンゴに、はめられたんだ
ドドンゴは極悪人なんです
人を落としいれ
傷つけ
奪うのです・・・・」

城兵
「王は今、海外へ行って不在である
お前達はそれまでに
首を洗って出直して来い!」

アンドレアとゴーガンは上手い言い訳が
出来なかったことを悔やんでいた。

そして、このままでは自分達が
山賊の仲間として逮捕されると思った。

二人は自分達の保身のため
どうしたらよいのか
必死で考えていた。




スターチャはエゾンベラ王の宮殿に招かれて
かわいいダンスを披露した。

王子
「アプリコットはダンスも踊れるし
優しくてかわいい・・」

スターチャ
「 王子様 一緒に踊りましょ♪ 」

エゾンベラ王
「王子は踊ったことがないんじゃよ
かわりに私がお相手致しましょう」

スターチャ
「まァ 王様と踊れるなんて光栄ですわ♪」

エゾンベラ王と楽しく踊るアプリコットを
見ていた王子は自分も踊りたくなった。

王子
「アプリコット! 踊りを教えてくれ!」

スターチャ
「私はスターチャよ
アプリコットはプリンセスだけど
私はちりめん問屋の娘で町娘なのよ♪」

王子
「んー
スターチャなのか?
まー良い
では、スターチャ
踊りを教えてくれ」

スターチャ
「だめよ
私は踊りの先生ですから
『踊りを教えて下さい』と
丁寧にお願いするのが礼儀なのよ」

王子
「なんだか難しいことを言うんだなぁ」

スターチャ
「王子様は苦手なことを克服して
多くを学び、人の痛みがわかる立派な
大人になるのよ♪」

王子
大人になるのは大変なんだなぁ・・・」

王子はスターチャに踊りを教わりながら
礼儀を学んでいった。

そして、そのとき、王子はネローダとアプリコットに
暴言を吐いていた家来の憲兵隊長を思い出した。

王子
「お前はアプリコット姫に乱暴な言葉を使っていたな」

憲兵隊長
「決してそのようなことはありません はい ・・」

王子
「お前は家来であるから礼儀をわきまえなければならない
当然、そのお前が踊りの先生であるアプリコット姫に対しても
失礼があってはならぬのだ!」


憲兵隊長
「・・・・・・」

王子
「黙っていると
不平があると思われるぞ!」

憲兵隊長
「決してそのようなことはありません はい ・・」


王子
「パパ王に頼んで酷い目に遭わせてやるから
覚悟しておれ 馬鹿たれが!」

憲兵隊長
「恐れ入ります」


スターチャ
「王子様!
私は王子様の先生よ!」

王子
「はい先生!」

スターチャ
「よろしい♪」

「上に立つ者 驕ることなかれ
調子にのっているとろくな事がありませんよ!」

「家来を労わり感謝しなければなりません」

王子
「でも・・・
この家来は礼儀を知らない無礼者だから
厳しく処罰しなければいけないと
思う・・・」

スターチャ
「そうね でも許してあげて
でも、再び同じ過ちを犯せば
どうなるか心配ね!

同じ過ちを繰り返す家来を許す
懐の深さが王子様を成長させてくれますよ!」

王子
「そんなに許せるかなぁ・・・」

スターチャ
「許せますとも♪」