Apu の All That I Am

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バルドについて

2011年10月03日 | チベット 死者の書
小僧 : 「先生は僕達がこうして触れることの出来る世界だけに執着してはいけないと教えてくれる。瞑想などによって僕達が現実だと思っている世界がそれほど確かなものでは無いことを勉強しなさいと言うのだ。」


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小僧 : 「先生、バルドについてもっと教えてください。」

師僧 : 「(咳払いして)バルドというのは途中という意味だ。死も決してすべての終りではなく、途中に過ぎないのだ。」


小僧 : 「私達が今、生きているこの世もバルドなのですか?」

師僧 : 「そうだ。この世は存在世界のバルドと呼ばれている。そして、死んでから再生するまでに三つのバルドがある。死のバルド、心の本体のバルド、再生のバルドである。」


小僧 : 「この世がどうして途中なのですか?」

師僧 : 「生命の本質は心であり、その心の本体は純粋な光なのだ。それがそれぞれの生き物の身体の中で活動している状態をこの世というのだ。」


小僧 : 「なぜそれが途中なのですか?」

師僧 : 「そこがこの教えの肝心なところだ。ミミズも犬も人も物質で出来た身体という条件に囚われ、様々な因果に基づいて生きている。」

師僧 : 「それぞれの生き物が「これぞ現実」と感じている世界はその生き物にとってだけ意味をもつ「空(くう)」なる世界だ。」

師僧 : 「したがって光である根源の心はその中で活動はしているが、本来の純粋な姿を現してはいない。だから途中なのだ。」





※出典 … 1993年 NHKスペシャル「チベット死者の書」 第2回 死と再生の49日 脚本/中沢新一




 
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