Apu の All That I Am

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船(法経) 小なる章 08

2015年08月17日 | スッタニパータ
316
ひとがもしも他人から習って理解を知るならば、
あたかも神々が インドラ神 《 帝釈天 》 を敬うがごとくになすべきである。
学識の深いその師は、尊敬されれば、
その人に対して心からよろこんで、真理を顕示する。

317
思慮ある人は、
そのことを理解し傾聴して、理法にしたがった教えを順次に実践し、
このような人に親しんで怠ることがないならば、
識者・弁え(わきまえ)知る者・聡明なる者となる。

318
未だことがらを理解せず、
嫉妬心のある、くだらぬ人・愚者に親しみつかえるならば、
ここで 真理 《 理法 》 を弁え知ることなく、
疑いを超えないで、死に至る。

319
あたかも人が水かさが多く流れの疾い河に入ったならば、
かれは流れにはこばれ、流れに沿って過ぎ去るようなものである。
かれはどうして他人を渡すことができるであろうか。

320
それと同じく、
真理 《 理法 》 を弁え知らず、
学識の深い人にことがらの意義を聞かないならば、
みずから知らず、
疑いを超えていない人が、
どうして他人の心を動かすことができるであろうか。

321
堅牢な船に乗って、橈(かい)と舵(かじ)とを具えているならば、
操縦法を知った巧みな経験者は、
他の多くの人々をそれに乗せて渡すように、

322
それと同じく、
ヴェーダ 《 真理の知識 》 に通じ、
自己を修養し、多く学び、動揺しない師は、
実にみずから知っているので、
傾聴し侍坐しようという気持をお越した他の人々の心を動かす。

323
それ故に、
実に聡明にして学識の深い立派な人に親しめ。
ものごとを知って実践しつつ、
真理を理解した人は、安楽を得るであろう。






ブッダのことば―スッタニパータ(岩波文庫)
中村元
岩波書店





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