17音の記録 やぶにらみ

気が向いた時の記録

 俳句・無季の句 川柳と 関連記事

秋簾

2023-09-05 15:56:27 | 日記
来客に裾をからげて秋簾

季語 秋簾 簾名残の傍題 夏の間、日除けや座敷などの間仕切りとして用いられた簾、立秋が過ぎてなお西日よけなどのために吊っているのが秋簾である。その簾にも色褪せや汚れが目立つようになり、季節の推移を感じる。「簾名残」には簾そのものを通して、行く夏を惜しみ懐かしみを感じる。

例句 ほつれさえ京の情緒や秋簾  岡崎登志子

秋茄子(あきなすび)

2023-09-04 14:29:28 | 日記
電灯を紫紺に映し秋茄子

季語 秋茄子 秋になって採れる茄子。同じ時期に蒔いても、時差により秋口に生ることがあり、嫁に食わせたくないほど柔らかく美味しい。一方、秋用に育てた茄子をいうこともある。その場合の種まきは五月下旬頃から。小さなうちに収穫するが、実はしまってみずみずしい。一夜漬けに最適。歳時記抜粋。

例句 歳したの妻を頼みに秋なすび  今枝立青

鶏頭

2023-09-03 09:44:29 | 日記
鶏頭の穂先そろえて長屋門

季語 ヒユ科の一年草。熱帯アジア原産とされ日本には古く中国を経て渡来した。韓藍(からあい)と言う古名で「万葉集」にも詠まれているのがこの花のようである。観賞用として路地栽培、また庭に植えられることも多い。園芸品種も多く、高さ30~90cmの直立した茎の上部に鶏冠状・球状・羽毛状などの帯化した花序をつける。夏から秋にかけて開花し、花の色は深紅・赤・橙・黄などがあり、濃厚な色彩なので妖艶な存在感があるが、一方で仏花としても用いられる。
歳時記抜粋。

例句 愛されて鶏頭の花種こぼす  田井三重

秋の蝉

2023-09-02 07:58:21 | 日記
鳴き声を空に吸わせて秋の蝉

季語 秋の蝉 早朝から鳴いていたセミの声も九月に入ると、ふと少なくなっているのに気づく。ひやっとした風と共に夏も終わったかとという感慨がある。この季語は夏より鳴き続けているセミの総称で特定のセミを指すものではない。羽化したセミの寿命は一週間前後なので一つのセミが秋まで生きて鳴き続けているわけではないので注意したい。

例句 秋の蝉ひとつなれども天に満ち  鈴木康久

震災忌

2023-09-01 13:05:17 | 日記
食卓に缶詰並べ震災忌

川柳 震災忌水の名前を慎重に
     (処理・汚染)

季語 震災忌 震災記念日の傍題 九月一日。大正12年(1923)のこの日、相模湾西部を震源とする大地震が発生、東京・横浜を中心に関東、静岡、山梨などに甚大な被害をもたらした。死傷者20万人。惨害最大の東京本所被服廠跡に東京都慰霊堂が建つ。慰霊とともに防災の意識を喚起する。阪神・淡路、新潟などのほか、地震国日本は以後も震災被害地は増え、地域名を冠して呼称している。
歳時記抜粋。

例句 東京に暮らしてをり震災忌  鈴木真砂女